英ＨＳＢＣ、21年利益が倍増　収益目標前倒しで達成見込む

［シンガポール／ロンドン　２２日　ロイター］ - 英金融大手ＨＳＢＣホールディングスが２２日発表した２０２１年決算は、税引前利益が１８９億ドルとなり、前年の８８億ドルから倍以上に拡大した。世界的な金利上昇を背景に主要収益目標を１年前倒しで達成できるとの見通しを示した。

２１年の税引き前利益はアナリスト１７人の予想平均（１９１億ドル）を小幅下回った。

融資の焦げ付きなどに備える引当金９億ドルを取り崩した。前年は８８億ドルを予想信用損失として繰り入れていた。

ノエル・クイン最高経営責任者（ＣＥＯ）は「２０２２年に向けて良い勢いがあり、引き続き戦略を実行できると確信している」と述べた。

現在進める２０億ドルの自社株買いが終了した時点で、さらに最大１０億ドルの自社株買いを実施すると明らかにした。

各国の政策金利が想定通りに上昇した場合に融資マージンは改善し、２桁台の株主資本利益率（ＲＯＥ）を実現するという目標を１年前倒しの２３年に達成するとの見通しを示した。

クインＣＥＯは、アジアへの投資を倍増させ、収益性の高い富裕層向け事業に数十億ドル投資している。