- 2022/03/01 掲載
東芝が経営陣刷新、株主批判に先手 新社長「強固な信頼築く」
[東京 1日 ロイター] - 東芝は1日、綱川智社長と畠沢守副社長が同日付で退任し、島田太郎上席常務と東芝エレベータ―の柳瀬悟郎社長が後任に就くと発表した。分割案を諮る臨時株主総会前に経営陣を刷新し、一部株主の批判を回避するのが狙いだという。
<株主総会前に新経営陣>
会見した指名委員会のレイモンド・ゼイジ委員長は、先月の会社説明会の後、一部株主が分割案実行の時期やスピードに懸念を示したことを明らかにしたうえで「早く動く能力があること示したかった。最前線に立つ経営陣を株主に示し、株主が議決権をどう行使するか考えてもらいたい気持ちがあった」と、刷新の背景を説明した。
島田氏は分割後、エネルギー・インフラ事業を含む本社の経営を主導する。同時に、2023年度下期にスピンオフを予定しているデバイス・ストレージ事業の社長就任を前提に、東芝デバイス&ストレージの佐藤裕之社長が専務(デバイス&ストレージ所管)に就任した。
<分割案、社内にも反発>
会見には、社長を退いた綱川取締役会議長も同席。「利益ある成長で企業価値を向上させ続けるためには、ポートフォリオも変えず、会社の形も変えず、現状を維持し続ける選択肢はない」と強調し、雇用確保のためにも「変革を外部の手に委ねるのではなく、自らの手で行っていくことが必要だ」と理解を呼びかけた。
複数の関係筋によると、会社の2分割案には大株主のみならず、社内からも反対の声が上がっていたという。この情報源はメディアと話す権限がないとして、匿名を条件に明らかにした。
<「デジタルわかる初めての社長」>
島田新社長は航空機の設計を皮切りに、シーメンスなどを経て18年に東芝へ入社した「デジタルがわかる初めての社長」と自己紹介。「最初にやるべきことは、株主、顧客、社員を含むすべてのステークホルダーと強固な信頼関係を築くこと。ガバナンスの強化も行い、着実に経営計画を実施していく」と抱負を述べた。
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