- 2022/03/03 掲載
ロシア中銀・SWF、中国債1400億ドル保有か 制裁の影響緩和も
ロシアのウクライナ侵攻に対する西側の制裁を受け、ロシア企業は中国など友好関係にある新興諸国との間で迂回ルートを探っており、ドルに代わって人民元での決済が増える兆しも出ている。
ANZのエコノミストらはリポートで、ロシア中銀とロシア国家ファンドが保有する人民元債はそれぞれ800億ドルと600億ドルとする試算を示した。
最新データによると、中国の銀行間債券市場で外国人が保有する債券は1月末時点で4兆0700億元(6441億3000万ドル)だった。
ANZは「他の支払い義務履行のため(人民元の)現金が必要になった場合に、ロシアがこの資産を換金するか注視している」とした。
ロシア中銀の外貨準備に占める人民元の割合は昨年6月時点で13.1%と、2017年6月のわずか0.1%から上昇。一方、ドルの割合は46.3%から16.4%に大きく低下した。
ただANZは、ロシアが国際送金・決済システムのSWIFT(国際銀行間通信協会)からの排除といった制裁の影響を避けるため、中国独自の「国際銀行間決済システム(CIPS)」を利用する可能性はあるものの、今回の危機で人民元の利用が大幅に拡大する可能性は低いとみている。
ANZは「CIPSは主に人民元決済システムであり、CIPS上の取引の80%以上はSWIFTの電信に依存している。直ちにSWIFTに代わるものにはならない」と指摘した。
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