- 2022/03/04 掲載
午後3時のドルは115円前半で小動き、ウクライナ情勢を警戒 ユーロ一時急落
ウクライナ南東部にあるザポロジエ原子力発電所でロシア軍の攻撃による火災が発生し、時間外取引で米長期金利が1.7%台に下落した。日経平均株価も大幅に下落し、外為市場ではリスク回避の円買いが強まりドルは一時115.25円まで下落した。
その後は五・十日に伴い実需のドル買いフローが入ったほか、ザポロジエ原発周辺で放射能レベルの上昇はみられないと報じられたことから、クロス円を中心にリスク回避の巻き戻しが入りドルは115.56円まで買い戻された。
足元のドル/円は、レンジ内での推移にとどまっている。FXcoinの取締役、上田眞理人氏は「対ロシア制裁による世界経済への影響を見極めたいとの見方や、株などリスク資産から債券へ資金がシフトしていることから。金利上昇が一服している、このため、ドル/円の動きは鈍くなりやすい」と指摘する。
今後の米金融政策を見極める上での材料として、今晩発表される2月の米雇用統計に注目が集まっている。強い結果となった場合は「先々の利上げペースの加速やQT(資産縮小)開始時期の前倒しなどの思惑につながる可能性がある」とニッセイ基礎研究所の上席エコノミスト、上野剛志氏はみる。
ただ、ウクライナ情勢の悪化によるインフレ圧力や世界経済への影響も意識されることから、日米金利差の拡大と同時に米長短金利差は縮小するとみられ、「ドル買いが抑制されるのはないか」(上野氏)という。
ウクライナ情勢の深刻化を嫌気して、ユーロは対ドルで一時1.1010ドルと20年5月以来の水準、対円で126.93円と21年2月以来の水準まで下落した。その後は持ち直したものの、軟調な地合いが続いている。
市場では「目先はウクライナ情勢次第で1.10ドルを下回る可能性があり、その場合、さらにユーロ売りが加速するリスクもある」(国内銀行)との声が出ていた。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 115.43/45 1.1026/30 127.30/34
午前9時現在 115.47/49 1.1064/68 127.78/82
NY午後5時 115.46/47 1.1064/68 127.76/80
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