- 2022/03/09 掲載
中国PPI、2月は前年比+8.8%に鈍化 商品価格高騰に注目
[北京 9日 ロイター] - 中国国家統計局が9日発表した2月の生産者物価指数(PPI)は前年比8.8%上昇だった。上昇率は1月の9.1%から低下し、昨年6月以来の低水準だった。
春節休暇による季節要因が影響した。ただアナリストは、国際商品価格の高騰で今後PPI上昇率が加速するとの見方を示している。
ロイター調査のアナリスト予想は8.7%上昇だった。
2月前半は春節休暇のため、多くの工場が操業を停止。原材料の需要が一時的に低迷した。ただその後、ウクライナ情勢が緊迫化し、供給制約への懸念が浮上。エネルギーなど国際商品価格が高騰している。
キャピタル・エコノミクスの中国担当シニアエコノミスト、ジュリアン・エバンス・プリチャード氏は「ロシアのウクライナ侵攻で国際商品価格が高騰しており、3月の統計には、はるかに大きな影響が出るだろう」と指摘した。
2月のPPIは前月比で上昇に転じた。国際原油価格の高騰と国内の石油関連産業の価格上昇が背景。
ゴールドマン・サックスはリポートで「前年比のPPI上昇率は目先、高止まりするだろう。地政学的な緊張で石油・ガス価格が前月比で上昇している」と述べた。
内訳では、主に石油、ガス、鉄鉱石の価格が上昇。中国は石油の70%以上、ガスの40%以上を海外からの輸入に頼っている。
一部のアナリストは、商品価格の高騰リスクで、金融緩和余地が狭まる可能性があると指摘。
チャイニーズ・ルネサンス・セキュリティーズのマクロ・戦略リサーチ担当トップ、ブルース・パン氏は「対ロシア制裁で中ロの貿易が中断され、輸入物価が上昇するリスクがある」とし「商品価格の高騰で、中国のPPI上昇率が加速し、中国の金融緩和余地が狭まる可能性がある」と述べた。
中国人民銀行(中央銀行)は8日、今年1兆元以上の利益を中央政府に移管すると発表した。財政支出を支援する。
ANZリサーチによると、これは預金準備率を50ベーシスポイント(bp)以上引き下げる効果がある。
2月の消費者物価指数(CPI)は前年比0.9%の上昇で、1月と予想と同じだった。
中国政府は5日、2022年のCPI上昇率の目標を3%前後に据え置いた。21年のCPI上昇率はわずか0.9%。景気減速と国内の新型コロナウイルス流行を背景に消費が低迷した。
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