• 2022/03/10 掲載

NY市場サマリー(9日)ユーロ急伸、米債利回り上昇 米株反発

ロイター

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[9日 ロイター] -

<為替> ユーロが対ドルで1.5%強急伸した。ロシアのウクライナ侵攻や西側諸国による制裁を受けた原油やコモディティー(商品)価格の高騰が一服する中、リスク選好度が回復した。

終盤の取引で、ユーロ/ドルは1.57%高の1.10645ドル。7日の取引では22カ月ぶりの安値となる1.0806ドルを付けていた。

TDセキュリティーズのシニアFXストラテジスト、メーゼン・イッサ氏は、欧州連合(EU)がエネルギー・防衛歳出の原資確保に向け債券の大規模な共同発行を検討しているという情報がユーロ押し上げに寄与したと述べた。

主要通貨に対するドル指数は1.077%安の98.052。

原油相場は急反落し、北海ブレント原油先物が17%超安、米WTI原油先物も9.7%安となった。アラブ首長国連邦(UAE)のアルオタイバ駐米大使が9日、UAEは原油増産を支持しているとし、石油輸出国機構(OPEC)に検討するよう働き掛けると述べたことが材料視された。

ポーランドの通貨ズロチとハンガリーのフォリントは対ユーロおよびドルで上昇。両国の中銀が8日に実施した利上げに反応した。

欧州中央銀行(ECB)は10日に理事会を開く。ユーロ圏がスタグフレーションに陥るリスクが台頭する中、金融市場ではECBが利上げを今年終盤まで遅らせる可能性があるという観測が強まっている。

ポンド/ドルは0.47%高の1.3162ドル。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは8.71%高の4万2130ドルと、2月28日以来の上昇率を記録する勢い。イーサは5.06%高の2708ドル。

バイデン米大統領は9日、中央銀行が発行するデジタル通貨「デジタルドル」に関する大統領令に署名した。デジタルドルのリスクや利点を踏まえ、必要な技術的インフラを評価するよう関係省庁に指示。さらに連邦準備理事会(FRB)に対し、研究開発に向けた取り組みを継続するよう求めた。

NY外為市場:[USD/J]

<債券> 国債利回りが3日連続で上昇。原油価格が値下がりしたものの、2月の米消費者物価指数(CPI)統計の発表を10日に控え、警戒感から国債への売りが優勢となった。

米10年債利回りは7.3ベーシスポイント(bp)上昇の1.944%。一時1.95%と2月25日以来の高さとなった。

USバンク・ウエルスマネジメントのシニア投資ストラテジスト、ロブ・ハワース氏は「ウクライナ紛争を受け、通常は質への逃避から10年債利回りが下がるはずだが、翌日に公表されるCPI統計は前年比で約8%の伸びが見込まれているほか、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)に関しても、FRBは利上げに躊躇していない」と述べた。

30年債利回りは5.9bp上昇の2.302%。2年債利回りは4.7bp上昇の1.676%。2年債と10年債の利回り格差は26.7bp。

この日行われた340億ドルの10年債入札は、応札倍率が2.47倍となるなど、平凡な結果に終わった。10日には200億ドルの30年債入札が実施される。

米金融・債券市場:[US/BJ]

<株式> 主要株価3指数が反発して取引を終えた。金融株やテクノロジー株が上げを主導した。高騰していた原油相場が落ち着き、投資家がウクライナ情勢の展開を見極めようとする中、過去4営業日の下げから持ち直した。

S&P総合500種は2020年6月以来の大幅な上昇率を記録。ナスダック総合の上げも21年3月以来の大きさとなった。

原油価格は9日に急落。UAEのアルオタイバ駐米大使がUAEは増産を支持しているとし、OPECに検討するよう働き掛けると述べたことから供給懸念が幾分緩和したとみられる。

ロシアのウクライナ侵攻開始以降、原油などのコモディティー(商品)価格が高騰し、インフレ加速や景気減速を巡る懸念が高まっていた。

S&Pの主要セクターでは情報技術が4%高、金融が3.6%高と上げを主導。今年にアウトパフォームしてきたエネルギーは原油価格の下落に伴い、3.2%安となった。

このところ売られていた旅行・娯楽関連株には買いが入り、クルーズ運航会社カーニバルは8.8%、 航空大手ユナイテッド・エアラインズ・ホールディングスは8.3%、それぞれ上昇した。

米株市場は、利上げ観測を背景にした債券利回り上昇やロシア・ウクライナ危機を巡る懸念に圧迫されてきた。

15─16日開催のFOMCを控え、10日発表のCPIが注目される。

米国株式市場:[.NJP]

<金先物> 投資家のリスク回避姿勢が和らぐ中、最近の上昇を受けた利食い売りなどが出て、5営業日ぶりに反落した。4月物の清算値(終値に相当)は前日比55.10ドル(2.70%) 安の1オンス=1988.20ドル。

9日には原油相場が急落し、エネルギー価格高騰による個人消費の鈍化やインフレ加速への懸念がひとまず和らぎ、投資家心理が改善した。株式などリスク資産が買われる一方で、安全資産とされる金塊は売りに押された。米長期金利の上昇も、金利を生まない資産である金の圧迫要因。

NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油先物> 有力産油国による増産観測の台頭で利益確定の売りが殺到し、一時16%超急落した。米国産標準油種WTIの中心限月4月物の清算値(終値に相当)は、前日比15.00ドル(12.13%)安の1バレル=108.70ドル。5月物は14.60ドル安の105.05ドルだった。

米英両国は8日、ウクライナ侵攻を続けるロシアへの追加経済制裁として、同国産エネルギーの輸入禁止を発表。ただ、米英ともにロシア産資源への依存度は高くなく、実質的な需給への影響は限定的との見方が広がった。また、国際エネルギー機関(IEA)のビロル事務局長が9日、価格高騰を抑制するため、一段の石油備蓄放出が可能との見解を示したこともきっかけとなり、朝方にかけて売りが活発化した。

9日午前に米エネルギー情報局(EIA)が発表した週報では、米原油在庫が市場予想を上回る取り崩しとなり、WTIの受け渡し拠点であるオクラホマ州クッシングの在庫は2018年8月以来3年7カ月ぶりの水準に減少。足元の供給逼迫(ひっぱく)を示す内容だった。

しかし、午後に入り、UAEが増産に賛成との意向を表明。生産拡大に慎重姿勢を維持している他のOPEC加盟国に呼び掛けを行うとする駐米大使の発言が伝わった。さらに、イラクも増産要請に応じられるとする政府筋の見方が報じられ、売りが一段と加速。午前中はいったん115ドル付近で下げ止まっていたが、昼すぎには103.63ドルの安値を付ける場面があった。

NYMEXエネルギー:[CR/USJ]

ドル/円 NY終値 115.82/115.87

始値 115.90

高値 115.93

安値 115.57

ユーロ/ドル NY終値 1.1075/1.1078

始値 1.0970

高値 1.1094

安値 1.0964

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 98*08.50 2.3308%

前営業日終値 100*05.00 2.2430%

10年債(指標銘柄) 17時05分 99*10.00 1.9514%

前営業日終値 100*01.00 1.8710%

5年債(指標銘柄) 17時05分 99*31.25 1.8799%

前営業日終値 100*10.50 1.8060%

2年債(指標銘柄) 17時05分 99*21.13 1.6757%

前営業日終値 99*24.00 1.6290%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 33286.25 +653.61 +2.00

前営業日終値 32632.64

ナスダック総合 13255.55 +460.00 +3.59

前営業日終値 12795.55

S&P総合500種 4277.88 +107.18 +2.57

前営業日終値 4170.70

COMEX金 4月限 1988.2 ‐55.1

前営業日終値 2043.3

COMEX銀 5月限 2581.6 ‐107.9

前営業日終値 2689.5

北海ブレント 5月限 111.14 ‐16.84

前営業日終値 127.98

米WTI先物 4月限 108.70 ‐15.00

前営業日終値 123.70

CRB商品指数 292.0867 ‐17.0349

前営業日終値 309.1216

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