• 2022/04/04 掲載

株主偏重の転換を、「新しい資本主義」へ具体案必要=原・元内閣府参与

ロイター

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[東京 4日 ロイター] - 岸田文雄首相が掲げる「新しい資本主義」の考え方に近い経済政策を提唱し、安倍晋三政権時代に内閣府参与を務めた原丈人氏は、国民の所得を増やすには株主偏重を改め、企業が従業員や社会に利益還元するよう促すべきと主張した。その上で、岸田首相が立ち上げた有識者会議に対し、「所得倍増」を実現する具体策をもっと議論するよう求めた。

「株主資本主義」から「公益資本主義」への転換を訴える原氏は、岸田首相が外相だったころから交流。分配を重視する岸田氏の経済政策「新しい資本主義」に影響を与えたとされる。

原氏は1日にロイターのインタビューに応じ、過去の政権が取り組んできた構造改革や規制緩和では国民の所得は上がらなかったと指摘。短期的な見返りを追求する投資家に利益をもたらすものだったとした上で、従業員や地域社会、長期保有の株主など、より広い利害関係者に分配すべきと持論を展開した。原氏は「儲けた利益を従業員や社会にもっと還元するべき。岸田総理もそう思っている」と語った。

原氏は、岸田政権が昨年10月に立ち上げた「新しい資本主義実現会議」から国民を豊かにする具体案が出てこないとし、「期待外れだと思っている人もかなりいるといろいろ聞いて感じる」と述べた。「株主資本主義的な考え方がいっぱい出てくる」と語り、岸田首相は「所得倍増」を実現する案を待っているとした。

岸田氏が昨年の自民党総裁選の公約に掲げた四半期決算開示見直しも、首相が期待した方向には議論が進んでいないと原氏は指摘。「私が岸田総理に提案して公約に入れた。これは今、自民党内で明確に廃止を唱っておらず、岸田さんはいらいらしていると思う」と語った。

また、日銀の金融政策について、金利差が拡大すればさらに円安が進む可能性があるとして、利上げ局面に入った米欧と「協調したほうがいいと」と語り、出口政策を考えるタイミングが来たとの認識を示した。金利引き上げで被害を受けるのはヘッジファンドや高速取引を手掛ける投資家だとする一方、「日本は老齢化に入ってきているので、年金や貯金などで暮らしている人が多い。金利がゼロの状態が長すぎたこと自体がマイナス」と述べた。

このほか原氏は、土木や防災、医療のインフラ整備に5年間で10兆円、計50兆円の財政出動が必要と語った。財源は個人向け「公益国債」とし、家計の金融資産2000兆円で十分まかなえるとした。

(金子かおり、豊田祐基子 編集:久保信博)

*写真を差し替えました。

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