• 2022/04/07 掲載

インフレの基調は極めて低い、緩和継続が最重要=野口日銀審議委員

ロイター

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[東京 7日 ロイター] - 日銀の野口旭審議委員は7日、熊本県金融経済懇談会で挨拶し、エネルギー等を除いたインフレの基調は極めて低い水準にとどまっていると指摘、政策課題はインフレの抑制ではなく、「デフレあるいは低すぎるインフレからの脱却だ」と述べた。コロナ禍が収束したとしても、物価2%目標が安定的に実現され、金融緩和縮小が視野に入るまでには「相応の時間を要する」とし、それまでは現状の金融緩和を粘り強く継続していくことが最重要だと改めて述べた。

野口委員は昨年10月の鳥取県金融経済懇談会でも、仮に感染症が収束したとしても、物価目標の実現にめどを付け、金融緩和を縮小するまでには「相応の時間を要することが予想される」と述べ、まずは現状の金融緩和措置を粘り強く継続していくことが最重要だと述べていた。

<内需の回復不十分、値上げが難しい状況>

野口委員は物価情勢について、4月以降は携帯電話通信料の押し下げ要因の多くが剥落することから、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比はプラス2%程度となる可能性が高く、「国際商品市況の動き次第ではそこからさらに上振れる可能性もある」と述べた。

ただ、物価高は内需の回復というより海外要因によるものだと指摘。「輸入原材料の価格上昇は、エネルギーを除けば川下の小売価格にはそれほど転嫁されてはいない」とし、「内需の回復が十分ではなく、企業にとって製品価格へのコスト転嫁が難しい経済状況が依然として続いている現れとも言える」と話した。

エネルギーや原材料の価格上昇による交易条件の悪化については「円安の影響は実際にはきわめて限定的にすぎない」とした。

<賃金上昇続けば、下押し慣性は弱まる>

野口委員は、物価安定のためには名目賃金上昇率の安定が重要だと強調した。日本では企業物価が上振れているものの、一般物価の上昇率はいまだ低く、労働市場のひっ迫度も高まってはいないと指摘。このことは「日本の金融政策は、米英はもとよりユーロ圏と比較してもより緩和的であるべきことを示唆している」とした。

十分な賃金上昇を通じた物価安定目標の達成のためには「粘り強い金融緩和の継続によって労働市場の需給をより改善させ、適度な賃金上昇がもたらされやすい経済環境としていくことが重要だ」と述べ、賃金上昇が持続すれば、賃金の下押し慣性は徐々に弱まっていくはずだと期待感を示した。

(和田崇彦)

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