- 2022/04/08 掲載
NY市場サマリー(7日)S&P高い、ドル一時約2年ぶり高値、長短金利格差拡大
<為替> ニューヨーク外為市場でドルが一時約2年ぶり高値を付けた後、伸び悩んだ。米連邦準備理事会(FRB)のタカ派的なシグナルが消化される中、ドルの水準が追加利上げを織り込み済みという見方も台頭している。
主要6通貨に対するドル指数は一時99.823と、2020年5月終盤以来の高値を付けた後、終盤は0.2%高の99.810近辺で推移した。
フォレクス・ドット・コム・エンド・シティ・インデックスのグローバルリサーチ主任マシュー・ウェラー氏は「トレーダーは年内に225ベーシスポイント(bp)の利上げを見込んでおり、期待外れとなるリスクがあることは確かだ」と指摘。「ドルの上昇トレンドには資源通貨に対し弱含みが見え始めているが、ユーロと円が床(フロア)を見いだすまで、ドル指数は上値を維持するだろう」と述べた。
セントルイス地区連銀のブラード総裁は7日、FRBがインフレ対応で後手に回っているとの考えを示したものの、ドルの反応は限られた。
シカゴ地区連銀のエバンズ総裁とアトランタ地区連銀のボスティック総裁は、FRBが中立的な政策への回帰において慎重に対応するとし、大幅利上げを巡り幾分ハト派的な見解を示した。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> 米金融・債券市場では、10年債利回りが3年ぶりの高水準に達し、2・10年債利回り格差が拡大した。米連邦準備理事会(FRB)の一連の追加利上げ期待がすでに織り込まれる中、バランスシートの縮小ペースや詳細に注目が集まっている。
FRBが6日公表した3月15─16日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、保有資産を最大で月950億ドル圧縮する案で「おおむね合意」していたことが分かった。
ソシエテ・ジェネラルの米金利戦略主任スバドラ・ラジャッパ氏は、前日の取引と同様、5日のブレイナードFRB理事のタカ派的なコメントと前日のFOMC議事要旨が引き続き材料視されているとし、「市場はなおバランスシート縮小を巡る詳細を消化しており、イールドカーブ(利回り曲線)はスティープ化している」と指摘。「FRBがインフレに対し非常に積極的に対応することが期待されていることを踏まえると、長短金利の逆転が継続するリスクがある」と述べた。
FRBのブレイナード理事は5日、系統的な利上げとバランスシートの急速な縮小により、FRBの金融政策は年後半に「より中立的な位置」に達し、その後必要に応じてさらなる引き締めを行うとの見通しを示した。
10年債利回りは3.8ベーシスポイント(bp)上昇し、2.647%。2年債利回りは4.5bp低下し、2.457%。2・10年債利回り差は18.72bp。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> 米国株式市場は、終盤の取引でマイクロソフトやテスラなどに買いが入り、S&P総合500種が押し上げられた。
市場では、ウクライナ情勢のほか、米連邦準備理事会(FRB)の一段と積極的な姿勢が引き続き意識されている。
テスラは1.1%、マイクロソフトは0.6%、それぞれ上昇し、S&P500やナスダック総合を支援した。
ファイザーも4.3%高。医薬品開発のReViralを買収すると発表した。
S&P500はほぼ終日、マイナス圏で推移したが、終盤にかけてプラスに転じた。
ブライト・トレーディングのトレーダー、デニス・ディック氏は「ウクライナ情勢が解決に向かうか不透明で、FRBのタカ派姿勢が経済にどう影響するか、そしてソフトランディング(軟着陸)を実現できるかも分からない」とし、「これは不安定な相場を意味する」と述べた。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場はインフレヘッジの金買いが入り、反発した。
米連邦準備理事会(FRB)が前日公表した連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(3月15、16開催分)では、総資産縮小が来月から段階的に開始される可能性が示唆されたほか、多くの会合参加者が金融引き締めの加速を望んでいることが判明した。FRBによる大幅利上げ支持は、インフレ圧力増大に対する極めて強い警戒感の表れとして着目され、金塊のヘッジ買いが早朝から活発化した。
ウクライナ危機がインフレを長引かせるとの懸念も金需要を後押しした。先進7カ国(G7)は7日、首脳声明を発表。ロシア軍撤退後、ウクライナ首都キーウ(キエフ)近郊で民間人の遺体が多数見つかったことを受けて、ロシアに対する追加制裁の方針を打ち出した。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、石油の主要消費国による備蓄の協調放出や中国の新型コロナウイルス感染拡大を背景に、需給が緩和するとの見方が強まり、3日続落となった。
主要石油消費国が加盟する国際エネルギー機関(IEA)は前日、すでに備蓄放出を発表した米国を除く加盟国が、計6000万バレルを追加協調放出する方針で合意したと発表した。朝方の市場では、前日に大きく下落した反動から、買い戻す動きが先行したが、 石油の需給逼迫(ひっぱく)が緩和されるとの観測が強まり、再び下落に転じた。
中国では、上海市で新型コロナの感染が拡大。6日の市中感染者数は2万人近くと6日連続で過去最多を更新し、市の東側ではロックダウン(都市封鎖)が続いている。中国当局は、「ゼロコロナ政策」を徹底する方針を示している。中国の経済活動の低下により、 原油需要が減少するとの見方が広がっていることも、原油相場を下押しした。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
ドル/円 NY終値 123.92/123.95
始値 123.80
高値 124.00
安値 123.76
ユーロ/ドル NY終値 1.0878/1.0880
始値 1.0892
高値 1.0938
安値 1.0868
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 91*03.00 2.6855%
前営業日終値 92*04.00 2.6320%
10年債(指標銘柄) 17時05分 93*06.00 2.6654%
前営業日終値 93*21.00 2.6090%
5年債(指標銘柄) 17時05分 99*00.00 2.7160%
前営業日終値 99*01.75 2.7040%
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*18.63 2.4677%
前営業日終値 99*16.50 2.5020%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 34583.57 +87.06 +0.25
前営業日終値 34496.51
ナスダック総合 13897.30 +8.48 +0.06
前営業日終値 13888.82
S&P総合500種 4500.21 +19.06 +0.43
前営業日終値 4481.15
COMEX金 6月限 1937.8 +14.7
前営業日終値 1923.1
COMEX銀 5月限 2473.5 +27.7
前営業日終値 2445.8
北海ブレント 6月限 100.58 ‐0.49
前営業日終値 101.07
米WTI先物 5月限 96.03 ‐0.20
前営業日終値 96.23
CRB商品指数 294.5792 +1.4381
前営業日終値 293.1411
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