• 2022/04/09 掲載

金融緩和堅持、強まる逆風=黒田日銀総裁、残り任期1年―後任見据え正常化観測も

時事通信社

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日銀の黒田東彦総裁が任期満了を迎える来年4月8日まで、残り1年を切った。ガソリンや食料品など値上げが相次ぐものの、日銀は現在の大規模金融緩和を堅持する方針で、円安を通じ物価をさらに押し上げる懸念も台頭。任期最終盤に差し掛かった黒田総裁への風当たりが強まる可能性がある。市場では「ポスト黒田」を見据え、日銀もいずれ金融政策の正常化に動くとの観測がくすぶる。

9年に及ぶ「異次元緩和」でも2%の物価上昇目標を実現できなかった黒田日銀だが、足元で状況は一変している。

消費者物価指数は今年4月、伸び率が急速に高まる見通し。企業が原材料価格の上昇を転嫁する動きが広がる中、これまで伸びを抑えてきた携帯電話通信料引き下げの影響が剥落するためだ。日銀内でも「海外発のインフレの影響が徐々に現れ始めた」(野口旭審議委員)と、4月以降は物価上昇率が2%を超える可能性があるとの見方が浮上する。

黒田総裁はウクライナ危機による景気下振れ懸念もあり「今、金融を引き締めればマイナスが大きい」と強調。現在の大規模緩和を維持する構えを崩さない。

しかし、欧米の中央銀行が金融引き締めにかじを切る中、日銀が緩和策を維持し続けると内外金利差が拡大し、輸入物価をさらに押し上げる「悪い円安」が進行しやすい。物価上昇が加速すれば、日銀に対応を求める声が強まることも考えられる。

岸田文雄政権は参院選を夏に控え、最近の物価高に配慮する形で総合緊急対策に乗り出した。インフレをめぐる政治と日銀の対応に温度差が生じている。

後任の総裁は、政府が参院選後に人選を進める見通し。財務省出身の黒田氏が異例の2期10年務めることから、日銀出身者から起用されるとの見方も根強い。市場では雨宮正佳副総裁や中曽宏大和総研理事長(前副総裁)らが有力視されており、新総裁の下で大規模緩和から脱却する正常化が進められるとの思惑も広がっている。

【時事通信社】 〔写真説明〕金融政策決定会合に臨む日銀の黒田東彦総裁=3月18日、日銀本店

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