- 2022/05/06 掲載
米燃料価格の上げ足速く、ウクライナ侵攻受け欧州向け出荷増
トレーダーは、石油輸出国機構(OPEC)など大口生産者の増産ペースが遅いため、世界の燃料在庫が急速に増えることはないだろうと指摘。大規模な備蓄放出によってより多くの原油が入手可能になったにもかかわらず、精製業者が需要を満たすのに苦労していることを燃料市場の逼迫が示しているという。
2月24日のウクライナ侵攻以来、米原油先物は17%近く上昇。一方、米ガソリン先物は30%以上、ディーゼル燃料の価格を反映する米ヒーティングオイル先物は40%、それぞれ上昇している。
プライス・フューチャーズ・グループのシニアアナリスト、フィル・フリン氏は「この時期、一般的に石油製品は原油をリードするが、今回はスプレッドが通常よりはるかに大きい。製品市場が精製業者に『もっと供給が必要だ、仕事をしろ』と叫んでいる形だ」と述べた。
米エネルギー情報局(EIA)によると、特に留出油の在庫が逼迫しており、1億0500万バレルと2008年4月以来の低水準にある。米国の商業用原油在庫は、米備蓄放出により2月下旬以降増加している。
米国の精製品輸出は過去4週間平均で日量630万バレルとなり、ほぼ過去最高の輸出量だった。
中国の新型コロナウイルス規制を受けたエネルギー需要への懸念から、米国の原油価格の上昇は限定的となっている。
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