- 2022/07/07 掲載
KDDI障害、課題露呈=防止策や広報対応、総務省が検証へ
発生から復旧確認まで86時間を要する過去に例のない事態となったKDDIの大規模通信障害では、障害防止策の不十分さなど同社が抱える課題が露呈した。利用者への周知でも問題点が指摘されており、総務省は有識者会議で同社の対応について詳しく検証する。
障害は2日未明、設備交換時の不具合をきっかけに発生。3日夕までに復旧作業を済ませたが、その後も問題が解消されず、通信制限の解除に時間がかかった。同社の高橋誠社長は「大事故につながるとは想定できなかった」と見通しの甘さを認めた。
総務省が問題視するのは、NTTドコモが昨年10月に起こした大規模な通信障害を踏まえ、携帯各社に対策を求めていたにもかかわらず、KDDIが防げなかったことだ。同社もシステム設計を見直すなどしていたが、結果的には不十分だった。
総務省の有識者会議では、事前の備えや障害発生後の対応、ドコモの教訓が生かされていたかどうかなどを中心に検証する。
周知・広報の在り方も課題だ。KDDIは、2日朝からおおむね1時間おきにホームページに障害情報を掲載していた。しかし、発生から12時間たっても原因への言及はなく、復旧状況について記載を始めたのは3日に入ってから。3日夕に復旧作業が終了したと公表した後も電話がつながりにくい状況が続き、利用者の混乱を招いた。
金子恭之総務相は「通信事業者としての責任を十分に果たしたとは言えない」と批判し、広報対応も検証する考えを示している。今回の件を踏まえ他の通信大手からも「自社の周知の在り方を見直す必要がある」との声が上がっている。
【時事通信社】 〔写真説明〕通信障害を知らせるKDDIのホームページ(写真上、3日撮影)と、東京都内のauショップに掲示された通信障害の告知(4日撮影)
PR
PR
PR