• 2022/07/15 掲載

FRB量的引き締め、今回は米国債市場への打撃に懸念=地区連銀論文

ロイター

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[ワシントン 14日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のアトランタ地区連銀とカンザスシティ地区連銀のスタッフがそれぞれ「量的引き締め」を取り上げた論文を発表した。現在は過去の類似局面に比べて経済の不確実性が高い上、FRBの利上げも侵攻。米国債市場のこうした圧迫状況下で、コロナ禍対応の証券買い入れで膨らんだバランスシート縮小に動く場合、金融市場への影響が増幅されてFRBの取り組みが難しくなる恐れがあると警告している。

アトランタ連銀のビン・ウェイ氏は、「通常局面」でFRBが3年かけて約2兆2000億ドル分の米国債保有を減らす場合、フェデラルファンド(FF)金利への直接の上昇圧力は約29ベーシスポイント(bp)相当と分析。しかし、ボラティリティーやストレスが高い局面では74bp相当の上昇圧力がかかると試算した。FRBが通常は25bpずつ利上げしてくことを考えれば3回分の打撃に匹敵し、FRBが想定する以上の金融引き締めをもたらす恐れがあるとした。

カンザスシティ連銀のラジディープ・セングプタ氏とA・リー・スミス氏は、2007-09年の世界金融危機を受けてFRBが購入した証券を17年の「市場が静かだった時期」に、償還で再投資せずポートフォリオから外していった事例に言及。現在の不安定な市場と比較研究した。

それによると、現在は米国債の主要顧客である年金基金や投資信託などの米国債保有が既に記録的な量に近い。政府が債務借り換えで発行しなければならない新発債を「吸収する余力」が限られている可能性を指摘した。現在の世界の地政学的リスクを考えれば、安全な逃避先であるはずの米国債への海外勢需要も限定的になるかもしれないとした。

今回は米国債利回りが下がり、ドルが強くなっているとは言え、どの尺度で見ても不確実性は高く、FRBのバランスシート縮小に伴うリスクはコロナ禍前に比べ大きいという。米国債の買い手が減れば、それは金利が想定以上に上がることを意味するとも警告した。17年の量的引き締めよりも今回は、はるかに市場の混乱が大きくなる可能性があるとしている。

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