- 2022/07/27 掲載
インフォコム、救急車内の映像を病院と共有する広域医療映像システムを構築
これは救急車内での患者の容体や心電図などの情報を、医療機関にリアルタイムに伝送するシステムです。今回のリニューアルでは、既に導入されていた(1)映像、(2)位置情報、(3)心電図の3つのシステムの統合とクラウドへの移行を実施。併せて県下の主要24病院と全消防本部への導入が進められ、救命率向上に役立てられています。同様のシステムを県下全域へ導入する例は他県に類を見ない事例です。
■背景
大分県では、大分大学医学部附属病院が中心となって救急医療現場における迅速な対応や患者の救命率の向上に向けた取り組みを行っています。2014年4月に大分県遠隔画像伝送システム連絡協議会が発足し、2014年7月には救急車の位置情報と車内の映像データを医療機関とリアルタイムで共有する「大分県遠隔画像伝送システム」の運用を開始。県下の4救急救命センターと10消防本部に導入していました。インフォコムは運用開始当初より協力しており、映像伝送システム「V-FAST(ブイファスト)( https://service.infocom.co.jp/healthcare/emc/HSMT99info-1.html)」をはじめとしたシステムの構築を担当しています。2017年7月には12誘導心電図伝送システムも追加され、さらなる救命率の向上に役立てられています。
一方で、すべての病院・消防本部に導入されておらず、地域によって救命率の差が生じる可能性が危惧されていました。また、導入当初のハードウェアの耐用年数、OSのサポート終了、サーバー性能が不十分で新たな要望に対応できないなどの課題がありました。
■概要
今回のリニューアルでは、「大分県遠隔画像伝送システム」にて使用してきた(1)救急車内の映像、(2)救急車の位置情報、(3)心電図の3つのシステムの連携を強化したクラウド統合型救急支援システムを構築しました。これにより、すべての情報を同一のアプリ内で同時に閲覧でき、一目で状況を知ることができるようになります。
また、 県下すべての消防本部と、災害拠点病院や地域中核病院などを含む主要24病院がシステムを導入したことで、県下全域で同システムを使用することが可能となりました。
重要視されたのは将来の拡張性。共有すべき情報が増えた際も、システム連携のしやすいクラウドを採用したことで、今後連携システムが増えても、医療機関に大きな負荷を与えずに追加することができます。
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