- 2022/08/10 掲載
三井住友銀行など、温室効果ガス排出量可視化サービス提供に関する基本合意書を締結
1. 本サービス提供の背景
気候変動関連の国際的な開示の枠組を提示する気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)では、脱炭素に向けた行動計画などの開示を企業に求める指針を提示しています。また、2022年4月から一部の上場企業に対して実質的にTCFDに沿った情報開示が要請されるようになりました。一方で、TCFDで求められるGHGプロトコルに則したGHG排出量の情報開示、すなわち事業者自らの燃料の燃焼等による直接排出(スコープ1)、電力等の他社から供給されたエネルギーの使用に伴う間接排出(スコープ2)、サプライチェーンの上流および下流の15のカテゴリのGHG排出量の算定(スコープ3)や、リスク・機会による財務影響の定量化には、大量多様なデータ収集、高度な算定式の構築等が必要であり、デジタルを活用した包括的なサービスのニーズが高まってきています。
2. サービス提供における強み
パーセフォニの炭素会計プラットフォームは、グローバルで利用可能、及び各地域特有の排出係数を組み込み、GHGプロトコルやPCAF(Partnership for Carbon Accounting Financials)に準拠したスコープ1、2、3の排出量を算定・分析・管理することができます。特に、スコープ3のカテゴリ11(販売した製品・サービスの使用等による排出)やカテゴリ15(投融資先の排出量)などの排出量算定に強みを有しています。また、プラットフォームには、SBT(Science Based Target)に準拠した目標設定・管理を提供する気候変動モデリング機能も有しており、お客さまの脱炭素計画の策定も支援いたします。今回の合意により、自動的な炭素会計ソリューションの需要が急速に高まっている日本市場において、パーセフォニのプラットフォームを迅速に提供することが可能になります。
日本IBMは、金融業界を長く支援してきた実績をもとに、お客さまと共創する「IBM Garage」手法を用いてデータ・サイエンティストが開発したツールを提供いたします。これにより、当サービスを採用されるお客さまに、パーセフォニプラットフォームへのデータ入力プロセスの自動化とGHG排出量の計算出力およびレポート作成機能を提供いたします。このツールは企業がGHG排出量計算に必要な大量のデータを取り扱う上で、データ収集と計算処理・データ加工が可能なワンストップの統合データ基盤上で開発されています。
なお、三井住友銀行と日本IBMは、2022年春より、米The Climate Services, Inc.と共に、気候変動に伴うリスク・機会の分析を支援するサービスを提供開始しています。
今般、パーセフォニと共にGHG排出量可視化・分析管理を支援するサービスを提供することで、TCFDに沿った情報開示の支援やESG課題の解決に貢献する一連のサービスをお客さまに提供していきたいと考えています。
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