• 2022/08/13 掲載

牛乳・ヨーグルト、今冬値上げ=「生乳」が大幅上昇―需要減に懸念も

時事通信社

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食品の値上げが相次ぐ中、牛乳やヨーグルトも今冬にかけ一段と値上げされる見通しとなった。原料となる生乳の卸価格が、11月出荷分から13年半ぶりの大幅値上げとなるためだ。牛乳など店頭の商品価格への転嫁も進むとみられ、家計の負担が増す恐れがあるほか、「牛乳離れ」への懸念も強まっている。

大手乳業メーカーと沖縄を除く各地域の生乳生産者団体は8月上旬までに、生乳を11月出荷分から1キロ当たり10円引き上げることで合意した。値上げは2019年以来3年半ぶりで、09年以来の大幅な上昇となる。

背景にあるのは、乳牛の飼料となる穀物の輸入価格や輸送コストなどの上昇。生産量の5割超を占める北海道の生産者団体であるホクレン農業協同組合連合会(札幌市)は、生乳の卸価格を用途別に8.2~10.9%引き上げる。関係者は「生産コストは過去に経験のない速さと水準で上昇しており、生産基盤に深刻な影響を与えている」と指摘する。

乳業メーカーによる小売り・流通業者との交渉は今後本格化する見通しで、店頭価格にどの程度影響するかは現時点で未定だ。ただ、酪農団体やメーカーなどで構成するJミルク(東京)は「一定の反映はされるだろう」との見方を示す。

大幅な値上げは、家計への負担だけでなく、牛乳の需給にも影響を与える可能性がある。生乳は冬場に生産が進む一方で、牛乳などの需要は寒くなると低下する傾向にある。特に年末年始は、牛乳を大量に消費する学校給食が休止する。コロナ禍が重なった昨年末は生乳の大量廃棄が懸念された。

昨年末は結局、官民による消費拡大の取り組みや脱脂粉乳などへの加工で廃棄は免れたが、牛乳が値上がりすれば需要が一段と落ち込みかねない。脱脂粉乳の在庫は高止まりしているため、加工にも限界がある。

農林水産省は生乳を廃棄せざるを得なくなる事態を回避するため、「(脱脂粉乳など加工乳製品の)在庫低減や生乳の消費拡大に取り組み、需給の改善を図ることが重要だ」と呼び掛けている。

【時事通信社】

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