- 2022/08/22 掲載
運送業界、影響を注視=日野自、出荷停止が拡大
日野自動車の新たな不正発覚は、国内向けのほぼ全ての車種が出荷停止に追い込まれる前代未聞の事態を招いた。2021年度の国内販売シェアは中・大型トラックが39%、小型も36%に及び、運送業界に深刻な影響を与えかねない。同社製トラックを利用する運送会社は、今後の事業に影響しないか注視している。
全日本トラック協会(東京)によると、出荷停止によって運送会社が新車を購入できなくなれば、当初予定していた年数を過ぎても使い続けたり、他のメーカーに乗り換えたりすることになる。ただ、使用年数が延びると車検の際の部品交換費用がかさむなど、負担は重くなる。担当者は「一日も早く安心安全な車を市場に供給してほしい」と訴える。
ヤマトホールディングスは、中・大型トラックの出荷停止に関しては大きな影響がないとみている。ただ、小型トラックは保有する車両全体の約7割を占めており、「日野自と連携し、影響を確認していく」(広報)と話す。佐川急便も日野自から詳細な情報が届き次第、影響を確認する方針だ。
日野自のデータ不正をめぐっては、米国の運送事業者などが日野自や親会社のトヨタ自動車に対し、過去の不正行為などで損害を受けたとして賠償を求める訴訟を現地で起こしている。日本国内でも運送業界への影響が拡大すれば、同様の事態に発展する可能性がある。
【時事通信社】
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