• 2022/09/13 掲載

シダックス争奪戦、混迷=創業家、主導権回復へ連合―ファンドは売却に難色、第3勢力も

時事通信社

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給食大手シダックスの争奪戦が繰り広げられている。騒動の発端は、大株主のファンドが保有する株式約27%を手に入れようと、シダックス創業家とタッグを組んだ食品宅配のオイシックス・ラ・大地がTOB(株式公開買い付け)に踏み切ったことだった。ファンドが株式売却に難色を示して事態がこう着したところに、外食大手コロワイドが主力の給食事業買収を提案していたことが判明。第3勢力の登場により、混迷はさらに深まった。

シダックス株の3分の1超を保有する創業家は付き合いの深いオイシックスに大株主ユニゾン・キャピタルの保有株を取得するよう持ち掛けた。合計で6割超を握り、「経営の主導権を取り戻す」(関係者)ことを狙った。

ところが、シダックス取締役会は今月5日、TOBに反対すると決議。ユニゾンも「インサイダー取引」の疑いがあるとして、TOBに応じていない。シダックスの経営に関わる未公表の重要情報をオイシックスが知った上でTOBを実施したとすれば違法だと主張する。

創業家・オイシックス連合のよりどころは「売却請求権」。2019年、経営難に陥ったシダックスにユニゾンが出資を決めた際、株式の売却先を創業家が指定できる契約が結ばれていた。

今回、創業家はこの請求権に基づいて売却先にオイシックスを指定。ユニゾンに売却を迫っている。反対決議に先立つ今月1日、東京地裁は創業家の申し立てを認め、ユニゾンにオイシックス以外への譲渡を禁止する仮処分を決定した。

一方、コロワイドは7日、シダックスに給食事業の買収を6月に提案していたと明らかにした。企業や学校、病院などに給食を提供するビジネスは、シダックス売上高の約半分を占める主力部門。その買収案が放置されたまま、TOBが進むことに業を煮やして公表した。そしてこれこそ、ユニゾンがインサイダー情報ではないかと指摘する重要提案の一つだ。

三つどもえの争奪戦に、シダックスには動揺が広がる。TOB反対決議に不満を抱いた子会社5社は「オイシックスとの協業が良い選択肢だ」と訴える文書を親会社に送り、グループに亀裂も入った。関係者によると、一部の取締役はユニゾン保有株をシダックスが買い取る案を創業家に提示。ただ、創業家側が提案を受け入れる可能性は低いとみられ、事態打開の道は見えない。

【時事通信社】

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