• 2022/09/22 掲載

NY市場サマリー(21日)FOMC受けドル急伸・逆イールド拡大、米株大幅続落

ロイター

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[21日 ロイター] -

<為替> ドルが急伸し20年ぶりの高値を更新した。米連邦準備理事会(FRB)がこの日まで開催した米連邦公開市場委員会(FOMC)でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.75%ポイント引き上げたほか、新たな金利見通しで一段の大幅利上げを示唆したことを受けた。

ただFRBの動きは幅広く予想されていたこともあり、ドルの上昇は限定的だった。

ドル指数は一時111.63と20年ぶり高値を更新。その後は0.7%高の110.97。

FRBの新たな金利・経済見通しでは、高インフレの抑制に向けて政策金利を年末までに4.40%に引き上げ、23年には4.60%でピークに達するとの見方が示された。

ドル指数の最大構成通貨であるユーロは20年ぶり安値となる0.9810ドルに下落。その後は1.2%安の0.9852ドル。

ドル/円は一時144.695円まで上昇。その後は0.2%高の143.92円と、他通貨に比べ小幅な上げにとどまった。トレーダーらは、日本が円安阻止に向け介入を実施するという警戒感からドル/円の上昇に慎重だった。

英ポンドは一時1.1237ドルと37年ぶりの安値に沈んだ。終盤は約1%安の1.1272ドルで推移した。

序盤の取引では、ロシアのプーチン大統領が軍の部分動員令に署名したというニュースがドルを支援した。ロシアのショイグ国防相によると30万人が召集される見通し。また、プーチン大統領は西側が「核の脅し」を続けるなら、ロシアは兵力の全てを用いて対応すると警告した。

NY外為市場:[USD/J]

<債券> 長短国債利回りが逆転する「逆イールド」が拡大した。FRBが0.75%ポイントの利上げを決定したほか、一段の大幅利上げを示唆したことを受け、景気後退懸念が高まった。

FRBは20─21日に開いたFOMCで、FF金利の誘導目標を0.75%ポイント引き上げ、3.00─3.25%とした。同時に発表された新たな金利見通しでは、高インフレの抑制に向けて政策金利を年末までに4.25─4.50%に引き上げ、23年には4.50─4.75%でピークに達するとの見方が示された。

これを受け、米債利回りは上昇し、10年債利回りは2011年以来、2年債利回りは07年以来の高水準を付けた。

FOMC後に会見したパウエルFRB議長は、FRBは40年ぶり高水準にあるインフレ率を引き下げるという「強い決意」を持っており、「仕事が完了するまでやり続ける」と述べた。

ただパウエル議長は、経済・金利見通しを示す「ドットチャート」は計画やコミットメントを示すものではないとし、経済の道筋を予測することの難しさを強調すると、利回りは上昇幅を縮小した。

INGのアナリストはメモで「リセッション(景気後退)回避は事実上不可能とみられ、23年後半には政策反転の可能性が非常に高い」と指摘。「FRBのきょうのタカ派姿勢にもかかわらず、市場は23年の約0.50%ポイントの利下げを暫定的に織り込んでいる」とした。

2年債利回りは一時4.123%と07年10月以来の高水準を付けたが、終盤は4.042%。10年債利回りは一時3.64%と11年2月以来の高水準を付けた後、3.520%となった。

2・10年債の利回り格差はマイナス53ベーシスポイント(bp)に拡大した。

5・30年債の利回り格差もマイナス29bpに拡大し、2000年以降で最大となった。

物価連動国債(TIPS)と通常の国債の利回り差で期待インフレを示すブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は、5年物が1.305%に低下。一時1.422%と09年8月以来の高水準を付けた。10年物は1.153%。一時1.246%と11年2月以来の高水準を付けた。

米金融・債券市場:[US/BJ]

<株式> 不安定な取引が続いた後、終盤の取引で大きく下落して終了した。FRBがこの日に発表した0.75%ポイントの利上げは織り込み済みだったが、政策担当者はこの先の一段の利上げを示唆。市場では将来的な政策に関するFRBの見解を消化する動きが出ている。

主要株価3指数はいずれも1.7%超下落。ダウ工業株30種は6月17日以来の安値で引けた。ナスダック総合とS&P総合500種はそれぞれ7月1日、6月30日以来の安値を付けた。

FRBのパウエル議長はインフレ抑制に向け手を緩めることはないと明言した。

BMOウェルス・マネジメントのチーフ投資ストラテジスト、Yung-Yu Ma氏は「パウエル議長は厳しいメッセージを発した。リセッション(景気後退)に陥るかどうかや、それがどの程度深刻になるかは誰にも分からない。経済のソフトランディング(軟着陸)を達成するのは常に困難だ」と述べた。

S&P主要11セクターは全て下落。一般消費財と通信サービスが2.3%前後値下がりし、下げを主導した。

米国株式市場:[.NJP]

<金先物> ロシアのプーチン大統領がウクライナ侵攻を巡り部分動員令に署名したことを受け、3日ぶりに反発した。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前日比4.60ドル(0.28%)高の1オンス=1675.70ドルだった。

NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油先物> 景気減速に伴うエネルギー需要懸念が強まり、下落した。同日から新たに中心限月となった米国産標準油種WTIの11月物の清算値(終値に相当)は前日比1.00ドル(1.19%)安の1バレル=82.94ドルだった。12月物は0.85ドル安の82.43ドルとなった。

この日、米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間在庫統計では、ガソリン在庫が160万バレル増と、市場予想(ロイター調査)の40万バレル減に反して積み増しとなった。またディスティレート(留出油)は120万バレル増(市場予想は40万バレル増)だった。需給の緩みに懸念も広がる一方で、原油在庫は前週比110万バレル増と、積み増し幅は予想の220万バレル増を下回った。

NYMEXエネルギー:[CR/USJ]

ドル/円 NY終値 144.04/144.06

始値 143.91

高値 144.70

安値 143.41

ユーロ/ドル NY終値 0.9837/0.9839

始値 0.9921

高値 0.9925

安値 0.9814

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 90*21.00 3.5069%

前営業日終値 89*12.50 3.5810%

10年債(指標銘柄) 17時02分 93*16.00 3.5338%

前営業日終値 93*06.00 3.5730%

5年債(指標銘柄) 17時05分 97*04.00 3.7680%

前営業日終値 97*06.00 3.7530%

2年債(指標銘柄) 17時05分 98*16.13 4.0591%

前営業日終値 98*21.63 3.9640%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 30183.78 -522.45 -1.70

前営業日終値 30706.23

ナスダック総合 11220.19 -204.86 -1.79

前営業日終値 11425.05

S&P総合500種 3789.93 -66.00 -1.71

前営業日終値 3855.93

COMEX金 12月限 1675.7 +4.6

前営業日終値 1671.1

COMEX銀 12月限 1948.0 +29.7

前営業日終値 1918.3

北海ブレント 11月限 89.83 ‐0.79

前営業日終値 90.62

米WTI先物 11月限 82.94 ‐1.00

前営業日終値 83.94

CRB商品指数 278.2278 ‐1.3117

前営業日終値 279.5395

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