「かっぱ寿司」社長が辞任＝他社情報不正取得で逮捕―後任に山角氏

回転ずしチェーン「かっぱ寿司」を運営するカッパ・クリエイトは３日、競合他社の営業秘密を不正に取得したなどとして不正競争防止法違反容疑で逮捕された田辺公己社長が、同日付で辞任したと発表した。本人から申し出があり、受理した。後任には山角豪取締役が就任した。

東京都内で記者会見した山角氏は、「多大な迷惑を掛け、おわびする」と陳謝。その上で「当社が（田辺氏に）情報取得を依頼した事実はなく、具体的な活用がなされた形跡もない」と述べ、組織ぐるみの犯行ではないと強調した。

また、営業秘密の管理徹底や外部記録媒体の原則使用禁止などの再発防止策も公表した。

山角氏は「ステーキ宮」などを運営するグループ会社アトム社長を兼任する。山角氏は「利益相反が疑われる決議には加わらない」などと述べ、問題がないとの認識を示した。

田辺氏は外食大手ゼンショーホールディングスに在籍していた２０２０年９月、傘下の回転ずしチェーン「はま寿司」（東京）の仕入れ原価などに関する情報を複製して取得。カッパ社に転職後、これを使って両社の仕入れ原価を比較するなどした疑いが持たれている。

法人としてのカッパ社も、両罰規定により同法違反容疑で書類送検された。

山角

豪氏（やまかど・つよし）倉敷芸術科学大教養中退。００年すかいらーく（現すかいらーくホールディングス）入社。２０年からアトム社長、２２年６月からカッパ・クリエイト取締役。４４歳。兵庫県出身。

【時事通信社】 〔写真説明〕記者会見の冒頭、前社長の逮捕について頭を下げるカッパ・クリエイトの山角豪新社長（中央）ら＝３日午後、東京都中央区 〔写真説明〕記者会見するカッパ・クリエイトの山角豪新社長＝３日午後、東京都中央区