- 2022/10/11 掲載
FRB利上げ、効果発揮までになお数カ月か=ブレイナード副議長
ブレイナード副議長は、全米企業エコノミスト協会(NABE)向けの講演原稿で「生産は今年これまで予想以上に減速している」とし、 住宅ローン金利の上昇といった直接的な影響を受けている住宅部門などでは「政策引き締めが一定の効果を上げていることを示唆している」と述べた。
同時に「他の分野では効果伝達の遅れがあるため、これまでの政策措置が完全に効果を発揮するには今後数四半期かかり、物価への影響にも時間がかかる可能性がある」と述べた。
さらに、海外の中央銀行がインフレ対策として利上げに向け同じ方向に動いているため、「需要の鈍化はさらに強化される」という認識を示した。
米消費者が予想以上に速いペースで家計の残高を使い果たした兆候があるため、個人消費のペースが今後鈍化する可能性があるという見通しを示した上で「下期の景気回復は限定的で、今年の実質(国内総生産)の伸びはほぼ横ばいになる」と予想した。
ブレイナード副議長は「不透明性は依然高く、見通しの変化や世界的なリスク双方を注視している」とし、「こうした環境では、とりわけ主要金融市場における脆弱な流動性を踏まえると、リスク心理の急激な低下、もしくは予測困難なリスクイベントが増幅される可能性がある」と述べた。
それでも「インフレが時間とともに目標に戻ることを確実にするため、金融政策はしばらくの間、制限的になる」とし、「世界経済と金融の不確実性が高まる中、データに頼りながら慎重に前進することで、経済活動や雇用、インフレがどのように調整されるかを把握できる」と述べた。
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