- 2006/06/15 掲載
日立、外部環境に柔軟対応、情報活用を支援するスケーラブルデータベースを発売
日立製作所 情報・通信グループは、このたび、変化の激しいビジネス環境において、より複雑化するビジネス情報を迅速・柔軟に統合し、情報活用を支援するスケーラブルデータベース「HiRDB Version 8」を6月16から販売開始すると発表した。
「HiRDB Version 8」では、企業の現場から経営にいたるさまざまなビジネス情報を、必要な形式でタイムリーに収集・加工・活用する情報統合の観点に基づいた機能をSOA(サービス指向アーキテクチャ)に対応して強化したほか、セキュアで可用性の高い情報活用を支援して、さらなるビジネス機会の創出に寄与する。
従来の情報システムにおける各種の業務DBは、システム個別に最適化された情報資産として活用されている。一方、SOAやITコンプライアンスなど、近年のビジネス環境変化に対応した情報の管理・活用や、システム内に散在するビジネス情報の組み合わせにより、システム全体として最適化され、新たなビジネス機会を創出しうる情報資産の活用が重要となってきている。
日立はこれまで、基幹システム分野で実績のある「HiRDB」を適用し、情報システムにおける高信頼なDB環境の実現を支援してきた。「HiRDB Version 8」では、従来の高信頼DBから、今後ますます大規模化、複雑化していくビジネス情報を必要な形でタイムリーに収集・加工し活用するための情報統合基盤製品へと機能を進化させたほか、ITコンプライアンス対応を支援するセキュリティ機能などを強化している。
主な特長は、3点。
(1)メインフレーム上の情報資源も含め、SOAに対応した情報活用を支援する情報収集・加工機能を拡充
「HiRDB Version 8」は、Oracle 9i、Oracle 10gなどをはじめ、メインフレーム上の各種DBを含めて、散在する異種複数のDBに透過的にアクセスし、対象となる外部DBの情報を仮想的に統合して活用できる。 また、こうした外部DB側の情報の収集・加工を、「フェデレーション(リアルタイム参照)」「レプリケーション(更新差分の逐次反映)」「ETL(バッチ抽出・加工)」といった、情報の活用鮮度に合わせたタイミングで実施でき、日立のアプリケーション基盤ミドルウェア「Cosminexus」のSOA基盤製品などとの連携で、必要な情報をタイムリーに活用可能である。
(2)ITコンプライアンス対応を支援する各種セキュリティ機能を強化
さまざまな情報が電子化されDBに格納・利用される中、ITコンプライアンス対応の面でDBの利用状況の管理が重要なポイントとなる。今回は、DBに対する各種操作履歴を記録する監査証跡機能を強化し、DB内の表単位での証跡を取得可能としたため、よりきめの細かい監査運用に対応する。また、DB改ざん防止機能の強化により、改ざんを防止する領域をデータ列の単位で設定でき、運用形態に合わせた対応が可能である。さらに、DB暗号化機能の強化なども順次行っていく。
*「HiRDB」は情報セキュリティ評価基準「ISO15408」の認証取得を推進中。
(3)ビジネスを止めないDBの高可用性を追求
「HiRDB Version 8」はシステムに負荷が集中する状況下や災害時などでも高い可用性を備えている。今回は、月次処理などの高負荷な大量バッチ処理をオンラインサービスの性能を低下させずに並列実行することを可能にしたほか、ディザスタリカバリ機能において、バックアップ拠点へのデータ反映時の回線帯域占有量を従来比で最大約40%低減した。これらを日立ディスクアレイサブシステム「SANRISEシリーズ」の機能と連携して実現するのに加え、SQLの統計情報をオンラインサービスの性能に影響を与えずに取得可能としている。
今後は、情報統合基盤としてのさらなる充実を図り、すでに提供済みのXMLデータ対応機能、文書や地図などのさまざまなデータの高速検索機能に加え、XPathによるXML検索高速化などに順次対応予定である。
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