- 2007/01/10 掲載
【国内セキュリティ市場調査】セキュリティ運用管理サービスの需要が拡大
・システムインテグレーターが提供する2005年の国内セキュリティサービス市場の売上は、前年比8.4%増の2,372億円 ・通信事業者が提供する同市場の売上は、前年比20.4%増の1,520億円 ・企業のセキュリティ導入意欲は今後も継続し、セキュアシステム構築サービス、セキュリティシステム、運用管理サービスを中心に市場が拡大する見込み |
IDC Japanは、国内セキュリティサービスの市場動向と予測を発表した。2005年セキュリティサービス(セキュリティコンサルティング、セキュアシステム構築、セキュリティシステム運用管理、セキュリティ教育/トレーニング)の市場規模は、システムインテグレーター全体で2,372億円、通信事業者は1,520億円だった。2004年から継続して外部脅威に対するセキュリティ対策および情報漏洩対策の需要が拡大、セキュアシステム構築サービスおよびセキュリティシステム管理サービスが成長している。
システムインテグレーターの売上構成比は、セキュアシステム構築が66.6%、セキュリティシステム運用管理サービスが26.9%、その他のセキュリティコンサルティング、セキュリティ教育/トレーニングが6.5%となっている。
コンサルティングや教育は、システム構築の付帯サービスとなる場合も多く、売上全体に占めるシェアに変化は見られなかった。これに対し、セキュリティシステム運用管理サービスのシェアはわずかながら増加。企業は、多様なセキュリティ対策の導入によってシステムが複雑化し、結果、セキュリティ担当者不足が顕在化して、運用管理をアウトソーシングする機会が徐々に増加すると考えられる。
2005年から2010年までシステムインテグレーターが提供するセキュリティサービスの売上は<参考資料参照>、年平均9.2%で成長し、売上規模は3,679億円まで拡大する見込みである。サービス分野別では、セキュリティシステム運用管理サービスが最も高いと予測している。企業のセキュリティ対策導入が継続して活発であることから、セキュアシステム構築の需要も増加するが、システム運用管理の需要の伸びがそれを上回るとIDCではみている。特に中堅以下の企業によるシステム運用管理サービス利用率が2007年以降伸びると予測している。
一方、通信事業者は、自社の通信網を利用した通信サービスの一環として、大規模システム向けのファイアウォール/VPNの構築、および監視を中心としたセキュリティサービスを展開している。通信事業者の提供するセキュリティサービス市場の2005年売上高は、前年比20.4%増の1,520億円、2004年の成長率18.3%と比較して2.1ポイント増加した。通信事業者のセキュリティサービスは、セキュリティシステム運用管理サービスの提供が中心だが、セキュアシステム構築やコンサルティングの需要も堅調に推移したため、すべてのセキュリティサービス分野において平均的に市場が拡大しているのが特徴である。
2005年から2010年までの通信事業者が提供するセキュリティサービスの売上予測は、年平均25.3%で成長、2005年の1,520億円から2010年には4,697億円まで拡大する見込みである。各サービス分野共に成長率の伸びは高く、市場全体が順調に成長するとみている。サービス分野別では、セキュリティコンサルティング、セキュアシステム構築が最も伸びる。要因としては、多くの通信事業者でセキュリティサービス市場を一層拡大させるため、コンサルティングビジネスを充実させる意向を持っており、情報セキュリティ関連資格の取得を積極的に支援することで、セキュリティ専門の人材育成を積極的におこなっていることが揚げられる。
IDC Japan セキュリティ リサーチマネージャー 塚本卓郎氏は次のように述べている。
「セキュリティサービス市場においては、企業からのさまざまなセキュリティ対策の要請によって新しいセキュリティソリューションが登場し、システム構築サービスの需要が堅調に伸びている。システム運用管理市場はIT管理要員の不足を補うために中小企業の利用率が高くなるであろう。また、内部統制の対策としてセキュリティシステム監査、ISMSなどの認証資格取得支援などがコンサルティング需要を押し上げる要因となる」。
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システムインテグレータの国内セキュリティサービス市場 の売上と成長率予測、2005年~2010年 |
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