- 2007/03/05 掲載
【ITキーパーソンインタビュー(6)】ビジネスを強くするソリューションとは何か--オラクル 三澤氏
日本オラクル 常務執行役員 システム製品統括本部長 三澤智光氏インタビュー
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2006年は、ユーザーの経営課題がコスト削減やスピード経営、コンプライアンスなどに向かっていた年でした。企業としてはこれら矛盾する3つの要件をすべて解決したいという要望が強く、解決策を具現化しようと考えた年でした。一方、そのような問題に応えるために、我々はビジネスアプリケーション分野で、PeopleSoftやSiebel Systemsといった大型の企業買収を実施しました。
──企業買収に伴った数多くの協業の狙いとは?
オラクルが提供できる製品は、やはりプロダクトが中心になります。しかし、プロダクトだけでは本当のニーズに応えられない。そのプロダクトを活かしたソリューションや連携が必要になってきます。オラクルのウィングはデータベース単体からSOA、セキュリティ、ビジネスインテリジェンス分野に広がっています。また、ビジネスインテリジェンス分野であれば、バックエンド部の会計の仕組みだけではなく、フロントエンド部におけるCRMの仕組みへ、さらに業界に特化したアプリケーションに広がれば広がるほど、協業や連携が重要になってくるのです。
──これらの買収や協業により、新しい戦略も打ち出しましたね。
オラクルの戦略として「アプリケーションアンリミテッド」を打ち出しました。PeopleSoft、Siebel Systems、E-Business Suiteの製品を使っているすべてのユーザーに対し、Unlimitedな政策をとって、業績にも貢献しました。テクノロジーのプロダクト、たとえばデータベースやミドルウェアに関しては、新しいブランド戦略をとっていきたいと考えています。たとえば、「SOAソフトベンダー」「セキュリティベンダー」「ビジネスインテリジェントソフトベンダー」としてのオラクルというように、ユーザーニーズにあったブランディングを獲得していきたい。そういう意味で全社を挙げて活動し、着実に成果を残せました。特に「Fusion Middleware」などは、対前年度で50%から70%ぐらいの伸張率を遂げ、ビジネスとしては非常によい年でした。
──ビジネスを強くするソリューションとは?
大企業向けではインフラを統合していくソリューションです。それによってコストの削減、スピード経営を実現でき、さらにセキュリティも強固になります。一方、中小企業向けソリューションに関しても、役立てる部分はたくさんあると思います。どちらかというとオラクルは大企業向けというイメージがありますが、決してそうではありません。コンプライアンスやセキュリティなどの対策も、大企業の傘下にいる取引先企業は同じように重要です。そのときに必要なソリューションも提供できるということです。 それからSOA。これは大企業が中心になりますが、SOAも中小企業に役に立てると考え、「コントロール2006」という取り組みを実施しました。東洋ビジネスエンジニアリングの生産・販売・物流統合パッケージ「MCFrame」や、SSJの統合業務パッケージ「SuperStream」、ワークフローのエンジン「POWER EGG」などを、SOAのテクノロジーを使ってスムーズにつなげ、インプリメンテーションコストを低減できることを実証してきました。この取り組みについても、2007年にはより実装に近いレベルまで持っていけると考えています。
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