- 2007/03/22 掲載
【国内パソコン市場調査】パソコンベンダー別シェアのトップは今年もNEC、デル、ソニーは?
・2006年国内パソコン出荷台数は、1,428万台(前年比2.3%減) ・家庭市場は前年比5.9%、減年末商戦の買い控えが響くに ・2007年予測は1,455万台 |
IDC Japanは、2006年国内パソコン市場の動向について発表した。2006年の出荷台数は前年比2.3%減の1,428万台となった。
出荷台数の内訳を家庭とビジネス市場別にみることにする。
家庭市場は、前年比5.9%減の533万台。2007年1月、マイクロソフトの新OS「Windows Vista」が発売され、それと同時にVISTA搭載パソコンが発売になることから現行モデルを買い控えるという動きが見られた。また、年末商戦では、薄型テレビ等のデジタル家電製品や新型ゲーム機Wiiなどの影響もあげられる。
一方、法人向けのビジネス市場は、前年比0.1%減で、過去3年連続のプラス成長からマイナス成長に転じる結果となった。特に成長率を落としたのは2006年第4四半期。第3四半期までは、値引き幅を拡大することでシェア獲得を目指すベンダーが多く見られたが、第4四半期は価格競争による収益悪化を避けるため、収益確保に転換したベンダーが増加した。結果、出荷台数が一気に落ち込む結果となった。また、2005年以降、大企業で見られたリプレース需要は一巡し、2006年後半は、中小企業でリプレースが見られるようになった。
こうした状況について、IDC Japan パーソナル・コンピューティング グループマネージャー 片山雅弘氏は、「2006年の国内パソコン市場は、予測通り家庭市場の落ち込みが大きかった。一方、予測の範囲を超えたのは、ビジネス市場の落ち込みである。シェア重視のベンダーの多くが収益重視に転換したこと、中小企業でのリプレース需要の一巡傾向が鮮明になったことにより、短期的にではあるがビジネス市場が低迷期に入る可能性がある」と分析している。
パソコンベンダー別では、トップのNEC、2位の富士通ともにシェアを落とした。NECは前年シェアの20.6%から0.5%ダウンの20.1%で、出荷台数は286万台。富士通は前年シェアの17.8%から0.3%ダウンの17.5%で、出荷台数は254万台と両社とも苦戦が続く。そんな中、デルは前年シェア12.3%から14.2%にアップ。出荷台数では前年比12.8%増と高い伸びを見せた。また、ソニーや東芝も2006年前半に家庭市場での販売が好調だったことから成長率、シェアともに伸ばしている。その他、アップルコンピュータ、松下電器などが減少となった。
IDC Japanでは、2007年の国内パソコンの市場規模を前年比1.9%増の1,455万台と予測している。家庭市場では、Windows Vista搭載モデルが、2006年後半の買い控え需要や、古いモデルの買い替え需要を喚起するとみている。ビジネス市場は、リプレース需要の底にあると見ており、厳しい年になると予測している。過去の傾向から、2007年後半よりリプレース需要が再び上昇に転じ始めると予測しているものの、前半の失速を補う急激な上昇ではないとみている。
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2006年国内パソコン市場ベンダー別出荷台数(単位:1000台) |
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