- 2007/03/28 掲載
【携帯端末 市場調査】携帯端末メーカーの市場シェアの順位発表
これを受け、2006年第4四半期(10~12月)には、MNP利用による端末購入、MNP非利用ユーザーの端末買い換えが促進されたという。第4四半期の販売が好調だったため、通年の販売台数は、2003年の4,871万台に次ぐ史上2番目の規模となった。
ベンダー別の販売台数を見ると、トップは、液晶テレビ「AQUOS」のブランドを最大限に活かしたシャープ。シャープは、ソフトバンクモバイル向けの端末市場で非常に高いシェアを維持、2006年5月に発売したワンセグ放送対応「AQUOSケータイ」をはじめ、ソフトバンクモバイル端末市場における販売台数を拡大した。また、NTTドコモ向け端末市場でも、高精細大画面液晶および充実した音楽再生機能によって着実に顧客層を広げた。
2位は、3位とわずかな差でパナソニックが競り勝った。パナソニックは、年間を通じてNTTドコモ向けの高位機種(FOMA900シリーズ)の販売が高水準で維持できたことが成功要因だとしている。
3位はNECで、これまでやや低調だったNTTドコモの中位機種(FOMA700シリーズ)の販売が拡大しつつあり、復調の兆しが見られるという。
4位は東芝で、東芝は、音楽機能を訴求ポイントとして第2四半期に販売台数を大きく伸ばしましたが、他社から相次いで音楽機能重視端末が発売された下半期は販売台数が伸び悩みました。 5位は前年から1つ順位をあげた富士通。NTTドコモ向けのFOMAらくらくホンシリーズの販売が堅調に推移した。ただし、第4四半期に音楽機能重視端末でソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズが急速に販売台数を拡大しており、4位、5位をめぐる競争はますます激しくなっている。
ガートナーのモバイル/ワイヤレス主席アナリスト 光山奈保子氏は、「2006年の携帯端末市場は、MNPによる需要拡大によって支えられた」「MNPは制度として継続するものであるため、開始から時間が経った後もMNPによるユーザーの流動は続くと考えられるが、長期割引等をはじめとする携帯電話事業者のリテンション戦略展開により、徐々にユーザーの固定化が進み、MNPの持つ端末買い換え促進力は次第に収束する」と語る。
2006年4月以降、ワンセグ対応端末が人気を集めているが、機能面でワンセグに代わる買い換え需要を促進する要因が登場するには、しばらく時間がかかる。そのため、2007年後半から2009年前半にかけては需要が停滞し、その間は、端末デザインや薄型形状が買い換え需要を牽引すると予想している。
「2006年9月、総務省より『新競争促進プログラム2010』が公表され、2006年第4四半期からはMVNO(Mobile Virtual Network Operator)ビジネスの促進、販売奨励金の在り方、UIM(SIM)ロック解除の是非などについて、本格的な検討が始まっている」「これらの政策の内容次第で、携帯電話端末の産業構造が大きく変化する可能性がある。2007年は、特に規制動向を注視しなければならない年になるでしょう」を光山奈保子氏は述べている。
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日本における携帯電話端末の対エンドユーザー販売台数:2006年 |
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