• 2007/05/10 掲載

【連載】NGNとは何か(2):ソフトバンクテレコムのNGN構想

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世界の通信業界は今、大転換期を迎えつつある。既存の電話網がIP(インターネット プロトコル)をベースにしたインフラに置き換わり、そこからすべてのサービスをシームレスにつないでいこうとしているためだ。これら新しいサービスを総称して「NGN(次世代ネットワーク)」という。本稿では、NGNによってもたらされるものとは何なのか、現在どういった形で取り組みが行われているのか、などについて、ソフトバンク テレコムの執筆陣が解き明かしていく。
ソフトバンクテレコムのNGN構想

 数年前より世界各国での次世代ネットワーク構築に関する動きが活発化している。ソフトバンクテレコムは2005年初頭より次世代ネットワーク構築に向けたコンセプト設計を開始し、2005年12月に次世代ICTプラットフォームサービス構想「IRIS:アイリス」を発表した。本構想は2010年を目標に、ソフトバンクテレコムが開発、提供を行っていく新規サービスの方向性を示したもので、ユーザーへの魅力的な商品開発、サービス提供を実現するためのコンセプトである。

今後の次世代ネットワークの方向性

 ソフトバンクテレコムは1998年のPRISM(プリズム)構想で将来のオールIP化の世界を予見し、IP-VPNサービス(Solteria:ソルテリア)を世界に先駆けてリリースした。現在ではこのIP-VPNサービスや広域イーサネットサービスのようなIPベースのネットワークサービスが企業ユーザーの間では当たり前のように利用されている。

 我々は、今後の次世代のネットワークサービスとしてどのような機能を提供するべきかを検討し、IP-VPNや広域イーサネットの次に提供すべき機能は、ユーザー企業がネットワークの末端に接続して運用しているパソコンやサーバーの能力の向上、つまり「コンピューティング」を提供するべきであると考えた(図1)。

 現在でもアプリケーションによっては特定の時間帯だけ大容量や高品質のネットワークが必要になったり、特定のデータには高いセキュリティのネットワークが必要になるなどのニーズが生まれている。つまり、ネットワークの機能もアプリケーションの要求に対してダイナミックに応答する必要が高まっている。このような課題を解決するためには、コンピューティングとネットワークが提供する機能が1つのプラットフォームとして融合することで、よりユーザーの求めるサービスを提供することが重要になる。我々が考える次世代のICTプラットフォームではユーザーが必要なときに必要なだけ、コンピューティングパワーやネットワークリソースを利用できる「オンデマンド・ネットワーキング」が可能になる(図2)。


※クリックで拡大
図1 ネットワーク機能の変遷
通信技術は交換機の集約からはじまり、グリッドコンピューティングへと進化した

※クリックで拡大
図2 ITとCTのコンバージェンス
NGNでは、IT(情報技術)とCT(通信技術)を組み合わせたサービス提供が可能になる


IRIS構想実現の3つのコンセプト

1.ITシステムのネットワークへの取り込み


※クリックで拡大
図3 シンクライアントサービス
水道のように「必要なとき」、「必要なだけ」ITシステムを利用可能
 グリッド、バーチャルマシンなどの仮想化技術を駆使することで、いままでITシステムとして独立していたサーバーやストレージ、アプリケーションの機能をネットワーク側のシステムに取り込みながら融合し、それらをネットワークの機能としてユーザーに提供するものである。従来サーバーで提供されていたアプリケーションや端末の中に存在していたCPUリソース、ストレージリソース、認証機能をネットワークが機能として提供することで、オンデマンドでICTリソースの利用が可能となる。図3に代表的なアプリケーション例としてシンクライアントサービスを示す。

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