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  • 2007/11/15

【中国ビジネス最前線(10)】はじめての顧客獲得-AXIS

上海でスタートしたモノづくりコンサルティング企業「AXIS Creation」

中国の躍進が叫ばれてはや数年。日本人は大手企業に限らず、中堅中小企業、個人でも中国でビジネスを展開するようになった。ここでは、中国でビジネスを営む企業や個人の生活を現場の目線でお伝えする。

3LDKの1部屋をオフィスにスタート

AXIS Creationからみる上海徐家匯エリアの風景
 上海枢軸数碼科技有限公司(Axis Creation Shanghai Inc, 以下Axis)は主にデジタル制作や商品生産オフショア開発サポートを行っている企業だ。顧客からCGやWebなどのデジタルコンテンツ制作を依頼されれば、プロジェクトに最適な社内外のクリエイターを揃えて制作を請け負い、顧客から工場での量産や材料調達のコーディネートを依頼されれば、上海近郊を中心に、依頼主のニーズに合った工場を探して紹介し、必要があれば量産コーディネートや生産管理も行う。Axisは上海を中心にしてクリエイティブ分野で日本と中国の橋渡しをする会社だ。

 Axisは2005年初めに独立系企業としてマンションの一室で創業したのち「少しでも早く、少しでも安く、少しでも良いモノを」をキーワードに、地道にモノづくりのコーディネートに励み、現在スタッフを15名体制まで増やすまでに至った。またオフィスも上海の中心部から離れた住宅地から、交通の要所でデパートが集まる徐家匯という場所のビジネスビルに移転した(※取材時は徐家匯に構えていたが、現在は移転し徐家匯に近い上海体育館エリアに事務所を構えている)。そんなAxisをゼロから引っ張ってきたのが同社唯一の日本人で、董事長(日本企業でいう会長)の田中延枝氏だ。

 まずAxisの経歴を簡単に紹介する。田中氏は本田総一郎氏に憧れ、将来中国でバイク会社を作ろうという思いから、オーストラリアのメルボルンで工業デザインを学んだ。その後日本での会社勤務、上海の日系企業で勤務を経て同社を立ち上げた。

 Axisの創業は上海の日系企業の社長から「CADのトレースをやったらどうか」と2005年提案されたことがきっかけとなる。この提案を受け中国と日本それぞれの状況を調査したところ、受注価格が高い日本国内からのニーズ、上海市内でCG関連の人材が充分にあることがわかり、ビジネスになりそうだということが判明した。

 上海の日系企業では、雇用更新の際、社長から「東京本社で働くか、フリーで同業種のパートナーとして働くか、独立をするか」の3択を突きつけられ、上海で働きたいという強い気持ちがあって田中氏は独立を選択。かくして社長の背中押しにより田中氏は住居として使用していた3LDKの1部屋をオフィスにし、共同経営者であり現同社総経理(日本企業でいう社長)の肖娜氏の2人でスタートをきった。

 今でこそAxisの得意とするジャンルはいくつかあり、コネクションも豊富にあるが、立ち上がった当初は活用できる人やネットワークが少なかった。そのため、設立当初のころは「まさに何でも屋で、自分たちにできることは何でもやる、という姿勢でした」と田中氏は語る。まず同社では、できるだけ営業コストをかけたくない、日本に行かずにどうにかしたい、という考えから、田中氏が上海や日本の会社勤務時に培った人脈を利用した。田中氏と面識のある企業や人に対して営業をかけ、出張ベースで上海に来る人には直接会い、上海に来れない人にはこまめにメールをすることでコスト削減に励んだのである。

はじめての顧客獲得

Axis Creationの董事長の田中延枝氏
Axis Creationの董事長の田中延枝氏
 2005年5月、Axisが営業許可を取得したとほぼ同時にはじめての顧客を獲得した。田中氏はその当時をこう振り返る。「私たちの事業は、自分たちが今上海を拠点にしてできること、やりたいことの中で、時代に合った、世界のお客さまに求められている事業は何だろう?と模索することから入りました。その調査の過程で、調査にご協力頂いた方の中からお客さま第1号が出たのです。それがたまたま不動産販売用のパース図(住宅広告でよくみかける住宅完成予想図のこと)や動画制作の仕事でした」。

 その顧客は日本の不動産会社で、天津の中国企業にアウトソーシングをしたもののうまくいかなかったため、その代わりを探していた。調査の際に田中氏は同社のできることを素直に説明した。中国の企業にお願いしてうまくいかなかったこともあって、田中氏の素直な状況説明にその不動産販売企画会社は「分からないことは教えます」と門出を応援してもらい、Axisは初めての仕事を獲得したのである。

 当時スタッフは田中氏と肖娜氏しかおらず、コネクションも限られている。その中で田中氏の中国での友人の紹介を頼りに外注先を探した。一時期は日本で求められる基準に達しないなどの品質に関するトラブルなど、様々な失敗をしたが、その苦労を乗り越え納品に至ると、モノづくりのコーディネート力が評価され、その後口コミで同社の存在は伝わり、次々に仕事が舞い込んでくるようになった。仕事を依頼され続けることで、建築パースや動画図以外の仕事にも幅広く対応できるようになり、その結果、商品品質やサービスの向上で、低価格競争に巻き込まれなくなった。現在、Axisの不動産関連の顧客による売上は全体の6割程度となっている。

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