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- 2025/09/25 掲載
ガートナーが推奨「クラウド成功5ステップ」、回避すべき「3大リスク」も解説
ライター。2010年、IT製品・サービスに関する情報提供を目的とするWebサイトにて医療チャンネルの立ち上げに参画し、担当記者として医療分野のIT推進の動向を取材して記事を制作。2011年、日本医療情報学会認定の医療情報技師資格を取得後、病院・診療所向け合わせて30社以上の電子カルテベンダーを取材した実績がある。医療関連システムの製品情報や導入事例、医療IT政策・市場動向に関する取材を行ってきた。
多くの企業がいまだに「クラウド初心者」?
デジタル技術の進展や事業環境の変化により、今や一般的な選択肢になったクラウド・コンピューティング。クラウドをめぐる状況について、「2024年、クラウドを取り巻くテクノロジーの領域では、際立ったイノベーションは見られませんでした。ハイパースケーラー各社がこぞってジェネレーティブAI(生成AI)に注力し、クラウドネイティブ技術に関する大きな発表は相対的に少なかったからです」と話すのは、ガートナー リサーチ&アドバイザリ部門 ディスティングイッシュト バイスプレジデント アナリストの亦賀忠明氏だ。

リサーチ&アドバイザリ部門
ディスティングイッシュト バイスプレジデント
アナリスト
亦賀忠明氏
ただ亦賀氏によると、テクノロジーの進化が停滞しているように見えるのは表面的な話で、むしろ問題はユーザー企業側がまだクラウドの基礎すら習得できていないことにあるという。
亦賀氏は2030年までのクラウド戦略について「Day0」から「Day4」という下図の5つのステップで示す。
現状、多くの企業はクラウド導入の初期段階である「Day0」や「Day1」に留まり、SRE(Site Reliability Engineering)やIaC(Infrastructure as Code)といったクラウド・ネイティブな運用に到達できていないのが実態だ。その一方で、クラウドを戦略の核としてビジネス変革を進める“ニューワールド企業”はすでに次のステージへと進んでおり、両者の差は年々開きつつあると亦賀氏は指摘する。
「いまだに『クラウドとは何か』という基本の確認を繰り返している企業も少なくありません。ですが、このままでは先行企業との間に20年分の差がつきかねないのです。2025年に向けて、そうした“もたつき”を卒業することが極めて重要です」(亦賀氏)
では、そのためには、具体的にどんな手法が有効なのだろうか。 【次ページ】クラウド推進で回避すべき“3大リスク”とは?
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