• 2025/12/12 掲載

「AIの父」ヤン・ルカン氏、Meta退社後にパリ拠点の「世界モデル」次世代AIスタートアップ設立へ

現行の大規模言語モデルを超える「世界モデル」の次世代AI研究に注力

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フランス出身のAI研究者ヤン・ルカン氏が米Metaを年末に退社し、パリを拠点に自身のAIスタートアップを立ち上げる計画を表明した。新会社では現行のLLM(大規模言語モデル)を超える、World Model(世界モデル)による「次世代AI」研究に注力する方針であり、Metaはパートナーとして関与するものの出資はしないとされる。
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(出典:Meta Facebook Yann Lucan account)
フランス出身の人工知能(AI)研究の重鎮で、Meta(旧Facebook)で長年チーフAIサイエンティストを務めてきたヤン・ルカン氏が、年末をもってMetaを退社し、自身のAIスタートアップをパリに設立する計画を発表した。ルカン氏はMeta在籍中に社内AI研究組織「FAIR(Facebook AI Research)」を率い、現代深層学習・AI研究の中核的存在として世界的に知られてきた。

ルカン氏は2025年12月4日にパリで開催されたカンファレンス「AI-Pulse」で起業を正式に表明し、同スタートアップが「世界モデル(world models)」と呼ばれる次世代AIの研究・開発に取り組む意向を示した。これは従来の大規模言語モデル(LLM)とは異なり、物理世界の表象や推論能力を持つAIの構築を目指すものとして位置づけられている。ルカン氏は現在のLLM中心の生成AIが持つ限界について言及し、より高度な認知・推論機能の実現を目指す「世界モデル」への研究フォーカスを移す考えを示した。

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新会社はグローバルな展開を目指すとされ、拠点をパリに置く理由としてルカン氏は欧州の研究人材環境やシリコンバレーとは異なる研究アプローチの追求に適すると判断したことを挙げている。また、フランスのエマニュエル・マクロン大統領がパリでの起業を後押ししているとのコメントも報じられた。

Metaに関しては、ルカン氏の新会社に対してパートナーシップの姿勢を示す一方で出資は行わないと説明されており、両者間に明確な資本関係はないとされる。ルカン氏はMetaのAI戦略が生成AIの拡大に傾く中で、自身の研究ビジョンとの違いがあったとされる報道も存在している。

ルカン氏の退社と起業計画は2025年11月頃から複数メディアで報じられており、同氏が年末にMetaを離れる予定であること、そして新会社設立の方向で準備を進めていることが確認されている。

新会社の詳細な資金調達状況や具体的なプロジェクトのロードマップは今の段階で公表されていないが、ルカン氏は2026年1月以降に追加の情報を明らかにする予定であるという。

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