Meta 独自モデルの生成AI「Mango」「Avocado」を開発へ、2026年前半投入見通し

Metaの最高AI責任者（Chief AI Officer）であるアレクサンドル・ワン（Alexandr Wang）が社内のQ&Aセッションで「Mango」と「Avocado」の開発計画を共有した。「Mango」は主に画像・動画生成に特化したAIモデルで、「Avocado」はテキスト生成やコード生成能力の強化を狙うモデルだとしている。これらは2026年前半にリリースされる見込みだという。

この動きは、Googleが2025年に公開した画像生成・編集AI「Nano Banana Pro（正式名称：Gemini 3 Pro Image）」などの急速な普及に対応する戦略とみられる。GoogleのNano Banana Proは高品質な画像生成と編集能力を備え、一般ユーザーや開発者の注目を集めており、Gemini AIエコシステムの利用を促進している。

Metaの戦略は単なる機能提供に留まらず、AI人材の積極的な獲得や社内組織の再編も含む大規模なものだ。報道では、同社がAI研究・開発組織「Meta Superintelligence Labs（MSL）」を創設し、OpenAIから20人以上の研究者を引き抜くなど人材強化を進めていると伝えられている。これらの動きは、OpenAIやGoogle、Adobeといった競合企業との競争に対応する意図があるとされる。

投資面でもMetaはAI関連への巨額の資金投入を示唆しているという。報道によると、CEOのマーク・ザッカーバーグはAI分野への投資が今後数年間で数百億ドル規模に達する可能性を示しており、AIを中心とした成長戦略を加速させている。

一方で、Metaは従来から画像・動画生成AIの分野で複数のツールを展開している。2025年には短尺動画向けのAIツール「Vibes」を発表し、テキストや画像から動画生成・編集が可能になったと報じられている。また、以前2024年には「Movie Gen」という高解像度動画生成モデルも発表されており、これらの実績をベースに新モデルへの期待が高まっている。

競合他社の動きも活発だ。GoogleのNano Bananaシリーズは高精細な画像生成と編集機能で業界の注目を集めており、OpenAIもChatGPTアプリ内で高性能な画像生成機能を強化するなど、AIによるコンテンツ生成領域の競争は激化している。

業界では、これらの新世代モデルの成功がMetaのAI戦略全体の評価に影響を与えるとの見方が強まっている。特に、生成AI分野の競争で後れを取らないため、Metaがどの程度の性能と差別化を実現できるかが焦点となる。