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- 2026/03/25 掲載
日本発AIユニコーン「Sakana AI」が日本特化型新AIモデル「Namazu」公開
海外製基盤モデルに日本の文化や価値観に適合、課題を解決
日本特化型のAIモデル「Namazu」とは?
Sakana AIは、他社が開発したオープンウェイトの基盤モデルに独自の事後学習技術を適用したNamazuシリーズのアルファ版を発表した。発表されたのはNamazu-DeepSeek-V3.1-TerminusとLlama-3.1-Namazu-405BおよびNamazu-gpt-oss-120Bの3種類である。ベースモデルには中国のDeepSeekや米メタのLlamaなど、発表時点で高い性能を持つオープンモデルが選定されている。同社はこれまで企業向けサービスを主軸としてきたが、今回の発表により消費者向けの生成AI市場へ参入する。
Namazuはベースとなる海外モデルと同等の推論や知識やコーディングといった基礎能力を維持しながら、日本語の処理能力や回答の中立性および事実の正確性を向上させている。海外のAIモデルは開発元の地域のイデオロギーや情報統制の影響を受けやすく、政治や歴史や外交などのデリケートな話題に対して回答を避けたり不正確な情報を出力したりする傾向がある。
Sakana AIの独自ベンチマークを用いた調査によれば、ベースモデルの一つは関連する質問の72パーセントに対して回答を拒否した。これに対し、独自データセットを用いて事後学習を施したNamazuモデルでは回答拒否の割合がほぼゼロに改善された。
特定の社会制度に関する質問に対しても、情報を回避したり曖昧にしたりする挙動は示さず、客観的な事実に即した多角的な応答を実現している。日本語の主要ベンチマークにおいても、ベースモデルや同規模の他社モデルと同等水準の性能を達成した。
同社はNamazuモデルを広く一般に提供するため、専用のインターフェースであるSakana Chatも同時に公開した。このサービスは公開前に約1000人のテスト参加者を募り、得られたフィードバックをもとに改善が行われている。
システムにはウェブ検索機能が統合されており、モデルがリアルタイムで最新のニュースや動向を収集し、情報を統合して回答を生成する仕組みを備えている。これにより事前に学習した知識の限界を超えた情報提供が可能となっている。
Sakana AIは今後、Namazuシリーズにおける複数のモデルウェイトを公開する準備を進めている。各ベンチマークの詳細なスコアや事後学習手法の具体的内容を記したテクニカルレポートも後日公開する予定である。同社はSakana Chatの公開を通じて得られる知見を活用し、モデルとサービスの継続的な改善を図るとともに、複数モデルの最適制御技術やエージェント技術を統合した多角的なAIソリューションの開発を推進していく方針を示している。
企業価値4000億円、日本発AIスタートアップ「SakanaAI」とは?
Sakana AIは、Googleの元研究者であるデビッド・ハ氏とライオン・ジョーンズ氏らが2023年に東京で設立したAI企業である。同社は、膨大な計算資源を投入して巨大なモデルをゼロから学習させる従来の手法とは異なり、自然界の進化や群知能から着想を得た独自技術を開発している。代表的な技術である「進化的モデルマージ」は、既存の複数の小型オープンモデルを掛け合わせて最適化し、高い性能と電力効率を両立させるアプローチである。また、研究仮説の立案から論文執筆までを自律的に行うシステム「The AI Scientist」の開発なども手がけている。
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