- 2026/10/06 14:00 掲載
NEC、大鵬薬品、早大など5機関、量子技術とAIの次世代がん免疫療法 共同研究開始
AI×量子によるがん免疫療法の創薬、NEDO実証事業に採択
研究の対象分野は創薬であり、がん免疫療法の有望な標的として期待されるネオアンチゲンに焦点を当てる。ネオアンチゲンはがん細胞に特有の遺伝子変異に由来する抗原であり、正常な細胞には存在しないことからがん細胞を特異的に攻撃する免疫療法の標的として注目されている。本プロジェクトでは、主要組織適合遺伝子複合体クラスIIを介してCD4陽性T細胞の応答を誘導するネオアンチゲン候補の設計と最適化を行う。
具体的には、人工知能をネオアンチゲン候補に対する免疫応答の予測やスコアリングに活用する。さらに、ネオアンチゲンのコア領域両端に位置するペプチドフランキング領域のアミノ酸配列設計に量子計算技術を適用する。これにより、膨大な配列の組み合わせの中から複数の要因を考慮しつつ、多様かつ有望な配列候補を計算によって設計する。 設計されたネオアンチゲン候補については、免疫学的実験を通じて免疫応答への影響を検証する。
実験から得られた知見は計算モデルや人工知能による予測および評価手法に継続的に反映される。計算による候補の設計と最適化、そして実験による検証を双方向に連携させることで、精度の高いネオアンチゲン候補の設計および評価基盤の確立を目指している。 本プロジェクトの計算基盤には、産業技術総合研究所の量子および人工知能融合技術ビジネス開発グローバル研究センターが整備を進める統合計算基盤が活用される。
この基盤は超伝導方式や中性原子方式などの量子コンピュータと大規模な画像処理半導体を用いたスーパーコンピュータを統合したものであり、多様な計算リソースを最適に組み合わせて利用する環境を提供する。 5機関による共同研究は、量子計算技術、人工知能、創薬と医療、そして免疫学という異なる専門領域の技術と知見を融合させる取り組みである。研究開発期間は2026年9月から2029年3月までを予定しており、実践的な検証を重ねることで、計算と実験を連携させた創薬アプローチの有用性を明らかにする。日本の量子技術の社会実装と医療分野への展開に向けた体制構築が進められる。
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