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  • 2009/11/25

関西流ベタベタIT商法の挑戦56~インターネットを使い手間を省きヒット商品を開発

【売上アップ】合同会社 関西商魂 代表 中森勇人

大阪はかつて繊維の街として栄え、下着や靴下の全国ナンバーワンシェアを誇っていた。しかし、海外の安い大量生産品が出回るようになり、多くのメーカーが姿を消していった。

中森勇人

中森勇人

合同会社 関西商魂
代表

インターネットを使い手間を省きヒット商品を開発
樋口メリヤス

大阪はかつて繊維の街として栄え、下着や靴下の全国ナンバーワンシェアを誇っていた。しかし、海外の安い大量生産品が出回るようになり、多くのメーカーが姿を消していった。

 創業76年を迎える靴下メーカー樋口メリヤス工業(大阪府枚方市)も例に漏れず、取引先の倒産などで存亡の危機に見舞われていた。海外の安い製品に対抗するため工場をフル稼働させていたが、薄利多売を強いられ、作れば作るほど負債を抱えていくというジレンマに陥っていった。

 そんな時、あるキッカケが会社を救う新商品を生み出す。この時のことを中江優子社長はこう語る。
「友人が糖尿病で入院し、食事制限中だったので『ダイエット中』というメッセージの入った靴下を作りました。お見舞いに来る人のリアクションがおもしろく、これはいけると確信し、早速、メッセージ入り靴下の販売をはじめました」。

 中江社長は靴下を編み込むためのプログラミングができるコンピュータを活用し、模様の代わりにメッセージをデザイン。敬老の日に向けて「長生きしいや」の文字と贈り主の名前を入れた靴下をインターネットで販売したところ、3,000円という値段にも関わらずあっという間に200セットを売り上げた。

 このヒットはマスコミにも取り上げられ、ネットに顧客が殺到。「こんなメッセージを入れて欲しい」という声に応え、父の日向けに「とうちゃんガンバレ」や「禁酒中」、営業パーソン向けに「契約取るぞ」、受験シーズンに向けて「合格祈願」、プレゼント用に「誕生日おめでとう」など、ラインナップを増やしていった。

お金をかけずに手間をかける

 中江社長はここで一大決心をする。今まで販売していた量産品の製造を一切止め、商品をメッセージ靴下一本に絞り込んだのだ。
 工場の規模を縮小し、従来の取引も止め、販路をインターネット販売だけに限定。楽天などのネットショップを使わず、自社で販売サイト「ハートメッセージネット」を作り上げた。

「ネットショップを使うと手数料がかかります。ホームページも自作なら維持費も安いですから(中江社長)」。

 このホームページには中江社長ならではの工夫が凝らされている。一つは社長自らのメッセージ靴下にかける思いを動画サイト「YouTube」を利用し、紹介していること。創業から会社の危機、新商品に行き着く経緯などが詳しく語られ、好感の持てる仕上がりになっている。

 他にも靴下の色、素材、メッセージ内容、場所、色などを細かく指定することができるようになっており、一足から世界に一つのオリジナル靴下を発注できるのだ。

 ネットを通して顧客と直接取引をすることで営業コストをカット。中間マージンがかからない上、できあがりのイメージ画像をメールでやりとりすることにより、納期の短縮とコスト削減に役立っている。最近ではブライダルギフトやスポーツチーム用の靴下やリストバンドなど中ロットの注文も増え、国内だけでなく海外からのオーダーもあるのだという。

 ネットを活用したコスト削減が功を奏し、顧客から「こんな少量でこんな安い値段でオリジナル靴下が手に入るなんて信じられません」と評判も上々だ。クリスマスやバレンタインデー、敬老の日や父の日、母の日などのプレゼントをネットで探す人が増えていることから、業績は右肩上がりなのだという。

 中江社長は「個人向けの小ロット品は手間がかかりますが、マーケットは未知数です。思いを伝えるメッセージ伝達人としての役割の大きさを感じています」と抱負を語る。

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