ルノー・日産アライアンスとダイムラーAG、戦略的協力と相互出資を発表

　ルノー・日産アライアンスとダイムラーAGは、ベルギー ブリュッセルにおいて、幅広い分野で戦略的協力を行っていくことを発表した。また、両グループは同時に、株式交換による相互出資も発表。ルノー・日産アライアンスがダイムラー株を3.1％、ダイムラーがルノー株および日産株を各3.1％保有する。

　両グループは、今回の協業によって、具体的なプロジェクトからベスト・プラクティスの共有まで、幅広い分野において短期間でシナジー効果創出を狙うとしている。具体的には、「電気自動車バージョンと、スマートとトゥインゴ・シリーズの拡充を含む、次世代スマート・フォートゥーとルノー トゥインゴでの協業」、「ルノー・日産アライアンスによる、新型スマート、ルノー トゥインゴおよびメルセデス・ベンツの次世代プレミアム・コンパクト・カー用のディーゼルエンジンとガソリンエンジンの共用および共同開発」、「ルノー・日産アライアンスのディーゼルエンジンとトランスミッションをメルセデス・ベンツのヴィト向けに供給」、「小型商用車での連携」などが発表されている。

　ダイムラーAG 取締役会長兼メルセデス・ベンツ会長のディーター・ツェッチェ氏は、「ダイムラーとルノー・日産アライアンスは、複数の具体的かつ、優れた共同プロジェクトを土台とする、確かな戦略に基づく、大きな可能性を秘めた関係を築くことに合意した。両グループには高い補完性があり、力を合わせることで、当社は速やかに小型車セグメントで長期的な競争力を向上するとともに、CO2排出量削減が実現できる。我々は、共通の設計思想の下で、それぞれのブランドに沿った商品を開発することができると信じている。ブランド・アイデンティティを損なうことは一切ない」とコメントしている。

　ルノー・日産アライアンスの会長兼CEOのカルロス・ゴーン氏は、「ルノー・日産アライアンスは、長年に亘る経験から、アライアンス・パートナーと協業する術を熟知しており、これは現在だけでなく将来においても、グローバル自動車業界で戦っていく上でたいへん貴重なノウハウである。今回の合意で、戦略的なパートナーシップをさらに拡充し、商品ラインアップの強化、リソースの有効活用、革新的技術の開発を通じ、両グループが将来的に発展する上で必要な長期的価値を生み出していく」とコメントしている。

　株式交換による相互出資については、「一度限りの相互出資が、今回のパートナーシップをより確かなものにする。相互出資により、三社は長期的な互恵関係に基づき、共有、ベンチマーク、シナジー効果の創出を促進する」と発表されている。お互いに3.1％相当の株式を持ち合う原則に立っており、これは以下の方式で実行される。

1. ダイムラーは3.1％のルノーの新規発行株を取得する。
2. ルノーは同社が保有する3.1％の日産の発行済み株式をダイムラーに譲渡する。
3. ルノーはダイムラー株の3.1％を取得する。
4. ルノーはこの内1.55％のダイムラー株を、日産が保有する日産株2％と交換する。
5. これによりルノーと日産はそれぞれダイムラーの自己株式の1.55％を取得することになる。

　4月6日時点のルノー、日産、ダイムラーの評価額は、それぞれ105億ユーロ、297億ユーロ、377億ユーロとなる。各社間で協業期間中、5年を上限に資本関係を固定することに合意している。

　両グループは、将来的な協業の可能性を見据え、長期的な協力関係の枠組みを構築する意向であり、今後もさらに協業分野を拡大すべく、あらゆる可能性を検討する方針だ。