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- 2011/09/16 掲載
電話、メールを超えるか?新ツール「グループチャット」とは:○○はビジネスになるか
「コミュニケーション」から「インタラクション」へ
創業1年のベンチャーに39億~66億円の値
GroupMeでは、端末の連絡先リストの中からメンバーを選んで、複数のユーザーと同時チャットができ、全員に同じメッセージを送ったり、受け取ったりできる。各グループには固有の番号が振られるので、一度設定したグループとの連絡はワンタッチで開始できる。基本はデータ通信を利用するが、通信環境がよくない場合は自動的にSMSに切り替わるなど使い勝手が工夫されている。
モバイル端末向けのアプリを作って無償配布しており、現在、iPhone、Android、BlackBerry、Windows Phoneに対応している。グループチャットの基本機能に加え、メッセージに位置情報を付加して送信したり、メンバーの位置を地図で確認する機能などを備えている。こうして位置情報と連動することで、集合に使ったり、メンバーの現在位置を踏まえた共同作業などが可能になる。
Skype側は買収を決めた理由について、「マルチモード、かつ、マルチプラットフォームのコミュニケーションを世界的に展開するビジョンを現実にするものだ。既存の音声・ビデオ通話に加え、スカイプの機能が充実する」と説明している。一方のGroupMeは「Skypeの1億7500万人のユーザーにアクセスできるようになった」とコメントしている。
百花繚乱のグループチャット
こうしたグループチャットのサービスを展開している企業は非常に多い。ざっと数えただけでもすぐ両手に余る。たとえば、米Webメディア「businessinsider」は、GroupMe買収発表を受けて、GroupMeをグループチャット戦争の勝者と認定し、“GroupMeに破れた10のサービス”という記事を掲載した。ここで名前が挙げられたライバルは、Fast Society、Yobongo、Disco、Betwext、Brightkite、CloudTalk、HeyWire、Grouped{in}、GroupFlier、Kikの10サービスだ。このうちBrightkiteは以前、Forsquareなどとともに紹介した「チェックイン型サービス」の草分けでもあったが、2010年末に突然、グループチャットに方向転換し、現在はGroupMeのクローンのようなサービスを提供している。
この分野にはほかにも、TextPlus、WhatsAppなどモバイル対応の有力なグループチャットがひしめいており、それぞれ飛躍を狙っている。GroupMeは、これらの中でも頭一つ抜け出たわけだが、以前から人気は高く、テクノロジーブログ「The Next Web」のライターが、Twitterのフォロワーに、どのグループチャットが好きか聞いたところ、GroupMeが得票でほぼ半分。以下、Beluga(29%)、FastSociety(23.5%)の順だったという。
2番目のBelugaは、今年3月にFacebookが買収(買収額は非公表)を発表したので知っている人も少なくないだろう。3番目のFast Societyは、GroupMeに最も近い位置にいたライバルという。評判もよく、昨年10月、ブログメディア「TechCrunch」はイベントに参加したエンジェル投資家たちが、壇上でこのサービスに夢中になってチャットしていたことをレポートしている。
このように興隆するグループチャットサービスだが、これらのサービスを盛り上げているキーワードはまさに「グループ」なのである。
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