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  • 2011/11/21

衆議院議員 河野太郎氏「日本のエネルギー政策は破綻していた」

Schneider Electric Data Center Forum2011 レポート

3.11以降、日本の経済および政策は、復興と復旧に向けて難しい舵取りを強いられている。特に、原子力を筆頭とするエネルギー問題は、産業・経済に与える影響が大きいため、安全論や環境問題だけで論じることができない。国民や企業はこの問題にどう取り組むべきか。いまや原子力問題の論客でもある河野太郎 衆議院議員が、フランスのエネルギー関連企業シュナイダーエレクトリックが主催するフォーラムの基調講演で、日本のエネルギー政策について語った。

原子力は資源小国の日本にバラ色の未来をもたらすはずだった

 「Schneider Electric Data Center Solution Forum 2011」において、衆議院議員 河野太郎氏は「今後の日本のエネルギー政策」と題し、基調講演を行った。河野氏は、日本のエネルギー政策がなぜ原子力を中心に据えたのか、その背景事情についての解説から講演を開始。

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衆議院議員 河野太郎氏
 まずその背景事情だが、日本は周知のとおり天然資源が少ない国であり、戦後の復興と国際社会で大国に対抗するためには、輸入に頼らない自給エネルギーを取得することが急務であった。そして1960年代、日本が自給エネルギーとして注目したのが原子力だった。それも、ウランを燃やしたあとに核燃料廃棄物と一緒に生成されるプルトニウムを使った高速増殖炉に活路を見出そうとした。日本以外の国は、ウランを軽水炉で燃やし、残った放射性廃棄物を薬剤に溶かして地下に埋めるなどの処理を行っているが、資源の乏しい日本は、高速増殖炉による核燃料サイクルを実現させれば、2000年先までエネルギー供給は安泰であり、バラ色の未来が開ける、としたわけだ。

 しかし河野氏は、この計画にはいくつもの問題点があると指摘する。軽水炉の廃棄物処理でさえ各国で反対運動があるように、日本の核燃料サイクルはさらに多くの解決困難な問題を抱えているという。

 例えば、1967年に発表された計画では、1980年代には高速増殖炉が開発できるとされていたが、これは2011年現在でも実用化に至っていない。5年ごとの計画発表ごとに開発・実用化の年が伸びており、現在は実用化まで2050年かかるだろうという計画になっているそうだ。

 しかも、高速増殖炉の実験炉である「もんじゅ」は1995年12月にナトリウム漏れの火災事故を発生させ、現在までも停止中である。停止中のもんじゅにも維持費として年間200億円が投入されているという。

 また、河野氏が国立大学の原子力の専門家に聞いた話として、高速増殖炉は理論値としては1kgのプルトニウムを1.2kgに増やすとされているが、実際には「現在の日本の金利程度だろう」という。

 放射性廃棄物の処理も解決されていない問題だ。高レベルの放射性廃棄物は基本的に10万年ほど経たないと自然放射能のレベルまで落ちないといわれている。その間は地下に埋めるしかないのだが、そのうち100年から300年間は地上からモニタリングを行う必要もあるという。そもそもこれが廃棄方法として現実的なのかという問題だ。

 政府は2028年までに廃棄物の埋め立て地を決定するとしているが、候補地については、過去の地震、断層の有無、火山、地下水などへの影響などボーリング調査を含め20から25年前に調査を開始する必要があるのに、2011年現在で調査する候補地も決まっていない。

 核実験を行い世界的に避難を浴びた北朝鮮が保有するプルトニウムの総量は、最大値の見積もりで50kgだそうだ。しかし、日本が現在保有する放射性のプルトニウムは31トンだ。これは、原子炉が稼働している限り増え続ける。日本は年間1,000トンほど使用済み核燃料を排出しているが、保管場所の空きは6年分しかない。現在停止している原子炉もあることや、青森県むつ市に5,000トン分の保管施設を建設中であることなどを入れても、およそ10年ほどで使用済み核燃料の保管場所もいっぱいになる。

 そのため、電力会社および経済産業省は、燃やすウランを節約し排出する廃棄物を少しでも減らすため、MOX燃料(ウラン9に対してプルトニウム1をまぜた燃料)を利用するプルサーマル計画を進めているが、これも各地の電力会社による「やらせ」による推進活動が問題になっているという。

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廃棄物を少しでも減らすため導入が進められるプルサーマル計画

この記事の続き>>  「やらせ」による推進活動とは?
             利権構造が間違った計画を推進させている

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