ネットで投票に行こう運動が！

　韓国では投票率の向上への取り組みがすごい。まず、投票日は休みになる。また、投票率を上げるため、大統領選当日も投票率の発表が行われる。今回は、投票への呼びかけが激しく行われ、最終盤に投票率は予想よりも10%増加のだ。

　このような中で投票率の向上に役立ったのがネットである。
20～30代の間で「投票認証写真」をネットに載せるのことがブームになっている。投票したことを証明する写真をネットに掲載して、知人らに投票するよう呼びかけたのだ。そしてレストランなどが認証写真を投稿すると支払いを割り引いたり、投票証明でプレゼントするなど懸賞イベントも行われた。また、芸能人も投票認証写真をネットに掲載し、若い世代の投票率を上げている。 これは、絶対に日本でも使える！

　なんとしてもこの7月の参議院選挙では、このような投票承認ショットを動かしたい。

　ちなみに、韓国では、投票当日の候補者名の明示は禁止されているが、投票認証写真の中で候補者を指で示し、投票を促している事例もある。（サンプル写真を掲載しようとネットを探したが、やはり違法行為であり、削除されたようで見つけることができなかった）

韓国では強力なネット選挙管理体制ができている

　これだけネット選挙活動が盛り上がれば、問題も出てくる。
まずは、セヌリ党支持者が、中央選挙管理委員会に登録していない違法な「ネット選挙対策事務所」をおいて、組織的に朴候補に有利になるような書込みを行い、ネット輿論を操作した容疑で逮捕されている。

　また、今回の大統領選挙においても、誹誇やネガティブキャンペーンが問題となっている。これには、選挙管理委員会が厳しく対応している。韓国の選挙管理委員会は、調査権限、告発権限などを有する。日本の選挙管理委員会は選挙事務しか行えない）。選挙管理員会が指摘したネットの違反行為は373件（2012．12．20現在）と前大統領選挙の648件に比べ減少したが、「誹諺・ネガティブキャンペーン」は、11件から36件に増加している（出典：国会図書館資料）。

また、ネットにデマ情報が流れて大きな混乱を生んだ。「文在寅候補が落選したのは、開票の際に不正があった」との情報がネットで拡散し、文候補本人が敗北を認めているにも関わらず、再開票を求めるデモが発生している。そして、国家公務員である国家情報院の女性職員が、他人のIDを使い、朴候補に有利な書込みを行っていたとの事件があり、捜査が行われている。そのような中で、韓国のネット選挙活動の監視体制は強力である。

　公職選挙法の規定により、委員11人からなる「インターネット選挙報道審議委員会」を設置し（事務局は中央選挙管理委員会）、インターネット新聞事業者等の監視を行うとともに、「サイバー選挙不正監視団」を設置し、実際にインターネット等への書込みの監視を行なっている。このサイバー選挙不正監視団は、各選挙管理委員会が運営し、今回の大統領選挙における監視団の人数は、230人余りとなっている。

　日本におけるネット選挙活動の監視体制については、2月26日の国会質疑で総務大臣と国家公安委員長にその強力な体制構築を提案する。これも次号に書かせていただく。

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