- 2026/04/14 掲載
「儲かる地域」はこう見つける、デジ庁の「地域幸福度」で“50億円市場”を探す方法
元毎日新聞記者。長野支局で政治、司法、遊軍を担当、東京本社で政治部総理官邸番を担当。金融専門誌の当局取材担当を経て独立。株式会社ブルーベル代表。東京大院(比較文学比較文化研究室)修了。自称「霞が関文学評論家」
見えない“幸せ”をどう可視化?「地域幸福度指標」の仕組み
地域幸福度指標は、アンケートを基にした“主観指標”と、各種オープンデータを基にした“客観指標”を組み合わせて設計されています。このうち主観指標は、各自治体が実施した下記のようなアンケート設問の回答を集計し、ここに、生活環境や地域の人間関係、自分らしい生き方に関する因子群を加えて算出します。
- 「現在、あなたはどの程度幸せですか?」
- 「現在、あなたの町内(集落)の人々は、大体において、どれぐらい幸せだと思いますか?」
- 「自分だけでなく、身近な周りの人も楽しい気持ちでいると思う」
客観指標については、たとえば以下のようなデータを組み合わせています。
- 景観関連(自然景観係数、都市景観係数など)
- 治安関連(人口あたり刑法犯認知件数、交通事故件数など)
- 防災関連(津波、地震動、土砂災害、高潮、ハード対策など)
- 行政関連(財政指数、自治体DX指数など)
- 教育関連(人口あたり学校数、待機児童数など)
「幸福度」を丸裸にするダッシュボードの凄い実力
実際のダッシュボード画面(図1)では、まず都道府県や市区町村を選択し、「カテゴリー別」「主観データ」「客観データ」「幸福度・生活満足度」「相関係数」「主観・客観散布図」のタブから、見たいデータにアクセスできます。「カテゴリー別 レーダーチャート」(図2)では、「雇用・所得」や「自然景観」、「初頭・中等教育」「移動・交通」などのカテゴリー別に、主観データと客観データのそれぞれが色分けされ、レーダーチャート形式で表示されます。
もともとこの地域幸福度指標は、政府が掲げる「デジタル田園都市国家構想」を念頭に、各自治体が自分の街の特徴を俯瞰で捉えることで、「データに基づいた地域の政策立案などに活用」してもらうことを想定して導入されました。しかし足元でデジタル庁は、役所だけでなく民間の事業者もこの指標を積極的に活用するよう呼び掛けています。
この指標は便利さの反面で、地域ごとのさまざまな「幸福度」を簡単に比較できてしまうのも事実です。政府は、デジタル田園都市国家構想の実現に向けた活用を目的として作成したことを強調した上で、「自治体間の優劣の比較やランキング付けなど、目的外の利用は厳に慎んでください」とくぎを刺しています。
それでは、民間企業にとって地域幸福度指標は、どのように使うことができるでしょうか。デジタル庁が実施した事業者向け説明会の内容を基に、ビジネス活用の可能性について解説します。 【次ページ】こんな使い道も…ビジネスを加速させる賢い活用方法
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