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  • 2014/01/28 掲載

GE副会長ジョン・ライス氏とロバート・フェルドマン氏のアベノミクスの評価は?

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日本経済に回復の兆しが見え始めた2013年、その推進力の1つとなったのがアベノミクスだ。一方で、世界経済の低迷や消費税増税など、不安要素も少なくない。再度の経済成長を加速化させるために、日本は何をすべきなのか。日本GE主催「"Japan is Back"フォーラム2013」で行われた、GE副会長のジョン・ライス氏と、モルガン・スタンレーMUFG証券のロバート・フェルドマン氏によるパネルディスカッションの様子をご紹介する。

谷崎朋子

谷崎朋子

企業向けIT専門誌の編集記者を経て、フリーランスのライター兼翻訳家(英日)。ソフトバンク ビジネス+ITでは主に戦略やイノベーションなど経営施策に関連するIT関係の記事執筆を担当している。

評価されるアベノミクスでイノベーションは起こせるのか?


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左から武部 恭枝氏、ジョン・ライス氏、ロバート・フェルドマン氏

 パネルディスカッションのモデレーターを務めたのは、プライムコーポレーション 代表取締役社長 の武部 恭枝氏だ。武部氏は最初の質問として、アベノミクスに対する評価を尋ねた。これを受けたGE副会長兼グローバル・グロース&オペレーション・プレジデント兼CEO、ジョン・ライス氏は、「慎重ながらも楽観視している」と述べる。

 ライス氏は、アベノミクスの基本方針「三本の矢」のうち、1本目(大胆な金融政策)と2本目(機動的な財務政策)はある程度の成功を収めていると考察。また、3本目の矢(民間投資を喚起する成長戦略)は、さまざまな意思決定を必要とすることから「一番難しく、2~3年後に真価を問われる課題」としながらも、「安倍首相は難しい問題に対し、リーダーシップをもって果敢に取り組んでいるようです」と評価した。

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GE 副会長兼グローバル・グロース&
オペレーション・プレジデント兼CEO
ジョン・ライス氏
 もう1つ、同氏は日本企業の意識の変化をプラス要因に挙げた。これまで25年間、幾度もの来日を重ねて日本企業の経営層と対話してきたライス氏は、「よりアグレッシブに攻めていこうという機運を、対話の中で感じています」と述べた。

「これまでなかったようなパートナーシップにも、積極的にチャレンジしようとしています。これも含め、私は日本の長期的展望に不安は抱いていません」(ライス氏)

 そんな機運を逃すことなく、イノベーションで産業基盤を強化したいところだが、ではイノベーションを起こすにはどうすればよいのだろうか。

 この質問に対して、モルガン・スタンレーMUFG証券 チーフ・エコノミスト兼債券調査部長、ロバート・フェルドマン氏は、「イノベーションは、不満から生まれます。不満が発想に変わり、具体的な製品へと昇華し、初めてイノベーションが完成するのです」と説明した。

 しかし、現在の複雑化した世界で、たとえば基礎研究から事業化・製品化の流れを企業単独で賄うことは到底無理な話だ。そこで、フェルドマン氏が提案するのは、政府主導によるイノベーションを意識した社会インフラの構築だ。

「まずは、基礎研究の成果をすべての企業に公開する仕組みを作る。製品化の糸口を提供できることが重要です。もう1つは、起業することが得だと思えるルール作りをすること。既存の企業の既得権益をただ守るのではなく、むしろ競争を活かして国を守る。政府にはそんな新しい発想を受け入れてほしいですね」(フェルドマン氏)

【次ページ】 古い考えを捨てて新時代の考えを受け入れるのがカギ

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