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  • 2016/10/31

LLANとは? アンダーソン・毛利・友常ら四大法律事務所も集うLGBT支援法曹団体に迫る

10月19日、長島・大野・常松法律事務所にて、LGBT Lawyers & Allies Network(以下LLAN)主催第1回レセプションパーティー「2016 LLAN Equality Gala」が開催された。LLANは、外資系法律事務所に所属するビジネス弁護士が中心となり、LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーなどの性的少数者)を支援する自主団体だ。法曹界、企業の中で、自主的にダイバーシティを推進する人々は何を信じ、どんな課題に取り組んでいるだろうか。

(取材・執筆:編集部 佐藤友理)

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国内で有力な法律事務所がLGBT支援のために集結した


四大法律事務所も参加するLGBT支援団体

 LLANは、ゴールドマン・サックス証券の藤田 直介氏と、フレッシュフィールズブルックハウスデリンガー法律事務所のアレクサンダー・ドミトレンコ氏が、そのほかの仲間とともに今年2月に立ち上げた団体だ。最近では日本の四大法律事務所(アンダーソン・毛利・友常法律事務所、長島・大野・常松法律事務所、西村あさひ法律事務所、森・濱田松本法律事務所)も加わった。

 本イベントでは数多くの有力法律事務所がスポンサーリストに名を連ねている。

スポンサーとして参加した法律事務所
法律事務所名ジュリナビ 2016年全国法律事務所ランキング200における順位概要
西村あさひ法律事務所1位コーポレート、ファイナンス、事業再生/倒産、国際業務、争訟、IT/IP、危機管理、独占禁止法、税務、親族/相続、資源エネルギーなどの分野を扱う。
アンダーソン・毛利・友常法律事務所2位M&A、ファイナンス、キャピタル・マーケッツ、事業再生・倒産、訴訟・仲裁などを扱う。
森・濱田松本法律事務所4位M&A、コーポレート・ガバナンス、規制法対応/取引、ファイナンス、インフラ/エネルギー、争訟/紛争解決、事業再生/倒産、危機管理、競争法/独占禁止法、IT・ライフサイエンス/知的財産などの分野を扱う。
長島・大野・常松法律事務所5位M&A/コーポレート、ファイナンス、危機管理・不祥事対応・コンプライアンス、事業再生/倒産、紛争解決、労働法、不動産・J-REIT、/知的財産、競争法/独占禁止法、税務などの分野を扱う。
モリソン・フォースター外国法事務弁護士事務所※「伊藤見富法律事務所」として13位クロスボーダーM&A、ジョイントベンチャー、戦略的事業提携、不動産、ライセンシング、プロジェクト開発、特許、著作権、コンビューター法などを扱う。
外国法共同事業法律事務所リンクレーターズ45位バンキング&プロジェクト、コーポレート/M&A、デリバティブ、 株式および債券/キャピタル・マーケッツ、金融市場規制、投資ファンド、不動産、企業再編および破産処理分野などを扱う。
フレッシュフィールズブルックハウスデリンガー法律事務所75位国際的な企業買収、合弁、合併などの国際企業法務案件、ストラクチャード・ファイナンスや証券化などの国際金融取引、訴訟や仲裁を含む紛争処理案件を扱う。
ハーバート・スミス・フリーヒルズ 外国法事務弁護士事務所140位国際公法、プロジェクト開発、合弁事業、買収・売却案件およびエネルギー業務ならびにインフラ・鉱業関連業務、競争法および企業結合規制を含む、M&A業務などを扱う。
アレン・アンド・オーヴェリー外国法共同事業法律事務所172位コーポレート、M&A、海外投資案件ならびにプロジェクト・ファイナンスを中心とするファイナンスおよびエネルギー・インフラストラクチャー関連案件を扱う。
デービス・ポークアンドウォードウェル外国法事務弁護士事務所-資本市場取引、M&A及びジョイント・ベンチャー案件、クロスボーダー企業倒産及び事業再生、反トラスト法及び競争法関連、その他コーポレート及びアドバイザリー業務などを行う。
Cambridge LLP-外国判決/仲裁判断の執行、債権回収訴訟、株主紛争、国際仲裁などを扱う。
出典:各法律事務所webサイトおよび「ジュリナビ 2016年全国法律事務所ランキング200」をもとに筆者が作成
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ゴールドマン・サックス証券
藤田 直介氏
 LGBT支援は日本のビジネスシーンでも注目されている。本イベントの企業スポンサーには、ゼネラル・エレクトリック、アルファロメオ、スキンケア用品で知られるラッシュ、リッツ・カールトンが業界を超えて集まり、そのほか団体として、オーストラリア大使館、オランダ王国大使館もスポンサーとして参加した。

 イベントは藤田氏とドミトレンコ氏の挨拶で始まった。

「本イベントは日本におけるLGBT当事者の平等を目指す思いから開催されるに至りました。LLANは私とドミトレンコさんと友人とで今年2月に立ち上げた団体です。弁護士に限らず、法律実務に携わる人間がその専門性を活かし、LGBTが自分らしく生きられる社会を実現することが目的です」(藤田氏)

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フレッシュフィールズブルックハウスデリンガー法律事務所
アレクサンダー・ドミトレンコ氏
「日本にもLGBTの方々はたくさんいらっしゃいますが、みなさん隠れています。いまここにいるみなさんの家族、友人、近所の人、同僚の中にもLGBTはいます。しかし、日本ではLGBTをめぐる不平等と差別があります。そんな状況にいるLGBTをサポートするために我々は集まりました。これほどの規模で法律事務所が集まり、LGBTを支えるLLANのような組織は世界でも類を見ません」(ドミトレンコ氏)

 藤田氏は、自身の部下がカミングアウトしたことがきっかけでLGBTをサポートする「アライ(ally、「味方」「同盟者」という意味)」になった。自身の経験を踏まえ、「大切なのは小さな一歩です。会社で研修を受ける、LGBT当事者の話を聞く、本を読む、それが積み重なって、LGBTの理解につながるのです」と語った。

世界の法曹も日本のLGBTを支援

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長島・大野・常松法律事務所
マネージング・パートナー
杉本 文秀氏
 スポンサーに名を連ねる長島・大野・常松法律事務所 マネージング・パートナーである杉本 文秀氏も登壇し、挨拶をした。

「非常に重要な第1回目のこのような集まりを長島・大野・常松法律事務所で開催することができ、非常に光栄です。この重要な課題に、これほどの幅広いサポートを得られ、本当にうれしいです」(杉本氏)

 同イベントには、数多くのゲストスピーカーが参加した。アメリカ最大の法曹団体であるアメリカ法曹協会 会長のリンダ・クレイン氏もその1人だ。

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アメリカ法曹協会 会長
リンダ・クレイン氏
「40万人の会員を持つアメリカ法曹協会は、40年以上にわたり『平等』の実現に取り組んできました。1973年、アメリカ法曹協会は、性的志向とジェンダーアイデンティに関するポリシーを初めて採択しました。それからというもの、その2つに関する30以上のポリシーを採択しました。2010年には、アメリカ法曹協会は、性的志向に関わる結婚の壁を取り払うよう活動を開始し、5年後にはアメリカ最高裁判所でそれが認められました。LGBTを支援するすべての人との今後の協力が楽しみです」(クレイン氏)

 オーストラリアからは、前オーストラリア高等裁判所判事 マイケル・カービー氏が参加した。同氏は2009年に退官し、オーストラリア史上最も長く務めた判事として知られる。

「LGBTの平等は、日本の人々が心から欲して実現するものです。外国人が来て、『やらないといけない』と言ったから始まるものではありません。日本の人々もLGBT当事者に『対面』し始めました。ディスコダンサーのように目立つわけでもない、『普通の人々』としてのLGBTを認識するようになったのです。

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前オーストラリア高等裁判所判事
マイケル・カービー氏
 LGBTの平等への活動は、女性共同参画社会への活動から学ぶことができます。それまでの父権的な女性差別は、女性一人ひとりの人生と、女性の社会的・経済的貢献を認識していませんでした。オーストラリアにおいても、日本においても、LGBTは『一段下の市民』です。どちらの国でも、LGBTは結婚できません。オーストラリアの意見調査では、多数の人が同性婚合法化に対し賛成票を投じると言っていますが、私はあまり信じていません。だから私は声を上げます。多数派が少数派の根源的な基本的人権のあり方を決定してはならないのです」(カービー氏)

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