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  • 2018/07/04

マスターデータ管理とは何か?ガートナーが事例から導き出したデータ一元化の4手法

データ活用の推進に向けマスターデータ管理(MDM:Master Data Management)に取り組む企業は増加する一方だ。とはいえ、これほどシステムが乱立し、またサイロ化も進む中で、全社データ一元化の道のりは決して平たんではなくなっている。ガートナーで主席アナリストを務めるサイモン・ジェームズ・ウォーカー氏が、数多くの事例に基づいたMDMの4つの技術的な手法を紹介するとともに、プロジェクトを成功に導くポイントを解説する。

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マスターデータ管理(MDM:Master Data Management)には複雑な課題が数多くある
(©wei - Fotolia)

マスターデータとは何か?マスターデータ管理が困難な理由

 マスターデータとは果たして何か。「基礎データ」「基本データ」など説明されるこの言葉の本質は、社内のあらゆるデータベース(DB)が利用すべき唯一絶対のデータという点にある。

 では、本来1つであるはずのマスターデータが複数存在した場合にはどんな問題が生じるのか。当然、同一データが複数の意味を持ち、分析結果の精度がそれだけ低下してしまう。そして、実はこうした状況に直面する企業は数多い。マスターデータを各システムで利用し、運用過程での人手での更新ミスなどによって、同一データに齟齬が生じてしまうからである。

 ガートナーで主席アナリストを務めるサイモン・ジェームズ・ウォーカー氏は、「データ活用の推進に向け、これは由々しき問題だ。その打開策として今、データの整合性確保を目的としたマスターデータ管理(MDM)に着手する企業が相次いでいる。ただし、DBは社内に数多く、それらは個々に最適化されているため、MDMの実践は非常に困難でもある。手法の中身を理解し、一元化のシナリオを描き、そのための適切な手法を吟味するといった事前準備を抜きに成功はおぼつかないはずだ」とMDMに取り組むうえでの心得を説く。

MDMを実践するための4つの技術的アプローチ

 ウォーカー氏によると、MDMの実装手法は技術的に次の4つに分類できるという。

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ガートナーのMDM実装手法、それぞれにメリットとデメリットがある
(出典:ガートナー)
 1つ目は、いわゆるSoR(System of Record)が複数存在し、それらのデータを仮想統合したゴールデンレコードをマスターデータとする「レジストリ型」である。この手法ではリモートやアプリケーションのデータの統合プロセスに重点を置いて、データの統一性や完全性、正確性を確保する。データ自体はSoRに存在し続けるため、実装の手間が比較的小さいことがメリットである。

 2つ目は、データの統合手法や実装の手軽さが共通するが、自らDBを持つ点でレジストリ型とは異なる「集約型」である。注意すべきは、より厳密な管理のためにはSoRとDBとのリアルタイムでのネットワークアクセスを確保する必要があることだ。そこに集約されたデータは永続的なゴールデンレコードとなり、DWHやデータレイクでも信頼の置けるデータとして利用できる。あらゆる業種に適した手法だという。

 3つ目は、マスターデータがSoRとなり、各種システムがそれらを参照して利用する「集権型」だ。データのアクセスとセキュリティを極めて高く維持できる半面で、データの更新がマスターデータを起点に行われ、また、システムの利用部門のデータ権限が失われるため、採用にあっては現場の抵抗を覚悟する必要がある。また、全社的にシステムを見直す可能性も高く、ビジネスに与える影響も大きい。

 4つ目は、大規模分散モデルの「共存型」である。DBにマスターデータを格納し、システム側からもマスターデータを変更できる方法である。必然的に、同手法の採用にあたっては全社的なガバナンスの確立が前提条件となる。また、複数アプリでデータを共用するため、データの信頼性を確保するために、利用ポリシーとプロセスを事前に定めておく必要もある。

【次ページ】4つの実装方法、メリットデメリットをどう使い分ければよいのか

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