• 2022/11/28 掲載

暗号資産、信頼回復へ国際的業界ルールを=コインベース日本法人社長

ロイター

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[東京 28日 ロイター] - 米暗号資産(仮想通貨)交換所コインベース・グローバルの日本法人社長を務める北沢直氏はロイターとのインタビューで、同業の米FTXトレーディングス破綻について、特定の事業者の問題とする一方、国をまたいで影響が広がりかねない事態となっていることから、業界全体で国際的に統一感のあるルールを設けるべきとの認識を示した。

今月11日に起きた業界大手FTXの経営破綻で推定100万人の顧客や投資家が合計数十億ドルの損失に直面している。FTXは、最高経営責任者(CEO)だったサム・バンクマンフリード氏が自身の投資会社に顧客の資金を流用し、流動性が低下したとされる。

北沢社長は「業界全体の問題ではなく、一部事業者の不誠実なビジネスが明るみに出た」と指摘。それでも暗号資産市場は流動性が逼迫する影響を受け、ビットコインなどは価格が急落している。同社長は「そもそも暗号資産全体の問題点は全くないということを伝えていかなければならない局面」と述べ、財務状況の開示強化など透明性を高めることが重要だとした。

コインベースも米国ではFTX破綻の余波で株価や社債が下落しているが、北沢社長は、預かり資産と自社の資産を明確に分ける分別管理などは厳密に実行していると説明。「中長期的に考えると(事業者が)選別されてしかるべき。しっかりとビジネスをやっているところが最終的に選ばれる」と述べた。「世界で一番信頼されているのはコインベースということをしっかりと伝える機会」と語った。

日本の暗号資産業界は、2014年に大手取引所のマウントゴックスが、18年にコインチェックがビットコインを大量に流出させことが問題となり、規制が強化された。関東財務局はFTXの米国本社が破産申請する前日の10日、FTXジャパンに行政処分を行った。業務停止命令のほか、利用者の資産の保全や利用者保護を求める業務改善命令を出した。

北沢社長は「世界に先立って顧客保全やマネーロンダリング(資金洗浄)対策の2つの観点に配慮したルール作りができている」と日本の規制の在り方を評価。一方で、「日本のルールが金科玉条だとも思っていない」とも述べ、税制や取扱資産など、議論すべきことはまだあると指摘した。

また、海外の親会社が破綻すれば日本法人にも影響が及ぶ懸念もあるため、国際的なルールを整備すべきと訴えた。「あるべきルールは世界的に統一感があってしかるべき」とした。FTX破綻の事実解明が進んだ後の議論としては、規制一辺倒の議論ではなく、適切で建設的な議論が行われることを期待すると語った。

*インタビューは24日に実施しました。

(清水律子 山崎牧子 編集:久保信博)

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