• 2025/07/18 掲載

英中銀、米ドル供給ショックの耐性テストを銀行に要請

ロイター

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Stefania Spezzati Jesus Aguado Lawrence White

[ロンドン 17日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)は、一部の銀行に対して米ドル供給ショックが起きた場合の耐性をテストするよう要請した。3人の関係筋が語った。金融安定の礎となっている米国の信頼がトランプ米政権の政策によっていかに揺らいでいるかを示唆する。

米ドルは世界貿易と資本の流れを支える主要な通貨であり、グローバル金融の生命線となっている。

しかし、トランプ氏が自由貿易や防衛のような分野で従来の政策を転換したため、金融政策当局者たちは金融ストレスが生じた際に依然として米ドルを緊急的に供給できるかどうかを疑問視している。

英中銀は一部の銀行にドル資金の調達計画と短期的なニーズを含めた米ドルに対する依存度を見積もるように求めたと、関係者の1人はロイターに語った。

別の関係者によると、英国に拠点を置き世界的に事業を展開する銀行がここ数週間のうちで、米ドルスワップ市場が完全に枯渇するという想定を含む内部ストレステストを実施するよう求められた。英中銀の監督部門の健全性規制機構(PRA)が一部の銀行に個別に要請したという。

世界的に事業を展開する銀行なら米ドル預金を活用して一時的な米ドル資金の不足に対応できると関係者は話す。しかし英中銀幹部は米国以外の中規模銀行に米ドル不足の問題が生じた場合、連邦準備理事会(FRB)がこれまで同様、支援するかどうかを特に懸念しているという。

ロイターは今回の要請が、隔年で実施する金融業界のストレステストの一環なのかや、結果をが年内に公表されるのか確認できていない。

英中銀の広報担当者はこの記事についてコメントしなかった。バークレイズ、HSBC、スタンダード・チャータードなど国際展開する英銀大手もコメントを控えた。

国際決済銀行(BIS)の調査によると、世界の通貨デリバティブの名目価値は2024年末時点で130兆ドルあり、そのうち90%が米ドルに関連している。BISによれば、新規の外国為替スワップ契約は通常1日で約4兆ドル結ばれている。

ドル調達を巡る、いわゆるストレステストは大陸欧州でも始まっている。欧州中央銀行(ECB)の監督当局は、トランプ政権下でFRBの資金供給に頼れない事態を想定し、域内の銀行にストレス時のドル需要を評価するよう求めている。

スイス国立銀行は6月初旬に「一部の銀行は外国通貨の流動性不足のリスクに直面する可能性もあるだろう」と警告した。

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