- 2023/01/18 掲載
長期金利、3日連続で上限超え=日銀対抗、国債購入計8兆円
日銀の金融政策決定会合が17日、2日間の日程で始まった。市場では、昨年12月に続く政策修正を予想して国債を売る動きが強まり、長期金利は17日、日銀が変動を許容する上限の0.5%を3営業日連続で超えた。日銀は、金利上昇を抑えるため3日間で計8兆円規模の国債購入で対抗。日銀が18日の会合後に発表する金融政策運営の方針に注目が集まっている。
17日の東京債券市場では、長期金利の指標となる新発10年物国債の流通利回りが一時0.505%に上昇(債券価格は下落)した。日銀は前回の昨年12月の決定会合で、長期金利の上限を0.25%から0.5%に修正する「事実上の利上げ」に踏み切った。市場では、さらなる引き上げを見込んだ投資家らが債券売りを続けている。
日銀は連日、0.5%の利回りで10年債を無制限に購入する「指し値オペ」などを実施。13日の約5兆円、16日の約2兆1000億円に続き、17日は約9000億円の国債を買い入れ、金利の抑え込みを図っている。しかし、日銀の買い入れに応じない一部の投資家が売りを出し、上限を上回る状態が続いている。
市場では「日銀が政策修正を今回見送っても、上限の再引き上げ観測が沈静化するかは不透明」(国内証券)との見方が出ている。日銀の決定次第で、政策の追加修正を巡る市場とのせめぎ合いは長引く可能性がある。
【時事通信社】 〔写真説明〕日銀本店=東京都中央区(AFP時事)
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