• 2023/01/27 掲載

米財務省、債務上限問題踏まえ第2四半期は短期国債発行削減か

ロイター

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[26日 ロイター] - 米財務省は30日に第2・四半期の所要調達額見通しを、2月1日にこれに基づく国債発行計画をそれぞれ発表する。既に連邦債務の借り入れ上限に達している状況を踏まえ、短期国債(Tビル)の発行予定額が削減されそうだ。

市場では、一部中期国債の入札日程変更や財務省による国債買い戻しといった流動性改善のための対応策が打ち出される可能性にも注目が集まっている。

イエレン財務長官は、議会が31兆4000億ドルの債務上限引き上げを承認しない限り、6月上旬には政府の資金繰りがままならなくなると警告し、既に2つの特別な財源確保措置を講じた。アナリストによると、実際には7月か10月までやりくりできるかもしれないが、財政がいつまで持つかは今年の税収動向次第の面もあるという。

こうした中でウェルズ・ファーゴのマクロストラテジスト、アンジェロ・マノラトス氏は「Tビルの発行は第2・四半期にかなり減少する。財務省は現時点で、資金調達の見積もりに債務上限を加味しなければならない」と指摘した。

ただ財務省は国債発行量全体に占めるTビルの比率を高めたい意向なので、債務上限の合意が成立した場合には、Tビル発行を逆に増やすことも示唆するかもしれない。

<流動性改善策>

財務省は過去数四半期にわたり、国債市場の流動性問題でプライマリーディーラーに聞き取り調査を実施してきた。そのため今回、何か具体的な対応策を採用する方針が示されるのではないかとの観測も聞かれる。

直近の聞き取り調査で財務省は、2年と3年、5年、7年の中期国債の入札日程を変更し、リオープン(銘柄統合)を取り入れるべきかどうか質問した。リオープンは長期債や超長期債では頻繁に行われている。

BMOキャピタル・マーケッツの金利ストラテジスト、ベンジャミン・ジェフリー氏は、こうした変更は規模が拡大する「オンザラン(直近発行銘柄)」の流動性を高め、より集中的な取引につながるが、その犠牲になるのが「オフザラン(既発銘柄)」だとの見方を示した。

比較的年限の短い中期債の場合は、2回のリオープンで発行間隔が3カ月になるとすればデュレーション(元本の平均回収期間)が大きく変わるので、投資家はリスク管理をより強化しなければならない恐れも出てくる。

マノラトス氏は「2カ月後に発行された2年債は同じデュレーションとは言えない」と述べた。

バンク・オブ・アメリカの米金利ストラテジスト、メーガン・スワイバー氏は、財務省による国債買い戻しの方が市場緊迫時には流動性改善にはより有効だと主張する。もっと直接的に市場の流動性や発行残高を管理できるし、イールドカーブ上の割安な銘柄を買い戻して相対的に取引が活発なゾーンへの流動性支援にも動けるからだという。

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