- 2023/02/02 掲載
欧州の起債額、1月として過去最高 米を上回る伸び
リフィニティブが30日発表したデータによると、1月のユーロ建ておよびポンド建てのシンジケート債の起債額は前年同月比10%増の2780億ユーロで過去最高を記録した。
一方、世界最大の債券市場である米国の1月の起債額は、前年同月比ほぼ横ばいの4080億ドルだった。
1月の世界全体の起債額(政府入札除く)は前年同月比10%以上減の9920億ドルだった。
欧州の起債が特に増えた背景にはセンチメントの改善がある。エネルギー価格の下落により、ユーロ圏のインフレ率は低下、企業活動は持ち直したため、欧州の景気後退が回避されるとの期待が高まった。
トゥウェンティフォー・アセットマネジメントのポートフォリオ・マネジャー、ジョナサン・オーウェン氏は「全体として、昨年に比べて世界でも欧州でも欧州企業への投資意欲が高まっている」とし、昨年は欧州よりも米国の方が起債が好調だったと指摘した。
リフィニティブによると、1月は金融機関が欧州での起債で前年比50%増となる710億ユーロを調達した一方、米国での調達は18%減少した。
JPモルガンの欧州投資適格金融部門責任者、マティアス・レシュケ氏は、ハイグレード債の発行額は同行の予想を大幅に上回ったとし、「現時点では、ユーロ市場での発行額がドル市場を上回っており、これはかつてなかったことだ」と述べた。
一方、バークレイズの欧州・中東・アフリカ地域(EMEA)債券資本市場担当責任者のリー・カンブス氏は、市場を動かしている要因の一つは、インフレが継続して低下傾向にあるとの見方だとした上で、「それはまだ完全に証明されていない」と指摘した。
インフレが持続的であることを示す兆候があれば、借り入れコストに新たな上昇圧力がかかる可能性がある。
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