• 2023/02/08 掲載

米インフレ対応に「かなりの時間」、好調な雇用統計受け=FRB議長

ロイター

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[7日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は7日、先週発表された1月の米雇用統計が好調な内容となり、インフレ率を目標の2%に引き下げるまで「かなりの時間」がかかることが示されたと述べた。さらに、経済の勢いがインフレ低下に向けたFRBの進展を脅かすなら、金利が予想以上に上昇することが必要となる可能性もあるという認識を示した。

パウエル議長はワシントン経済クラブでインタビューに応じ、「私の知る限り、明らかに誰もが予想していたよりも強かった」とし、「これほど強いとは予期していなかった。金融引き締めがなぜかなりの期間を要するプロセスになるかが示された」と述べた。

米労働省が3日発表した1月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が51万7000人増加し、伸びは市場予想を上回った。失業率も3.4%と、53年半超ぶりの低水準となった。

パウエル議長は低水準の失業率を踏まえ、「最大雇用」を超えている可能性があるとし、インフレがFRBの目標である2%に戻るには失業率は上昇せざるを得ないとの見通しを示した。

議長は「労働市場が非常に堅調に推移しているのは良いことで、賃金の伸びは鈍化し、インフレも低下し始めている」としつつも、コロナ禍という先例のない健康危機を発端に「今回のサイクルはこれまでと異なる可能性がある」とも強調した。インフレを2%に引き下げるプロセスは始まったばかりで、少なくとも来年まで続く公算が大きいという見解を示した。

さらに、米国では「ディスインフレ(インフレ鈍化)」のプロセスが進行していると感じているという認識を改めて示した上で、FRBはディスインフレがどの程度速いペースでサービス部門に広がるかを注視していると述べた。

JPモルガンのエコノミスト、マイケル・フェローリ氏は、この日のパウエル議長の発言は、先週の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見でのトーンと「かなり似通った」内容で、「データ依存を示すメッセージだった」と述べた。

チェリーレーン・インベストメントのリック・メクラー氏も「パウエル議長は、自身の見解ではインフレが頂点に達しているという事実を繰り返し述べた。市場参加者が最も恐れていたのは、これだけ利上げしてもインフレ抑制に実質的な進展がないとFRBが見ていることだった。しかしパウエル氏は『効果はある』と述べた」と指摘した。

予想以上に好調な内容となった雇用統計については、ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁も7日、CNBCのインタビューで「誰もが驚く結果だった」とし、「今のところ労働市場に大きな影響が及んでいないことが示された。このため、自分自身の金利の道筋を引き下げることにつながるものは何もない」と発言。インフレ抑制に向けFRBは金利を少なくとも5.4%まで引き上げる必要があるとの見方を示した。

サービス部門が堅調に推移していることや、賃金の力強い伸びなど、堅調な労働市場に起因する懸念要因に言及し、「今のところ進展は見られない。住宅を除く中核的なサービス部門には事実上進展がなく、これは労働市場と極めて密接に関連している」と述べた。

アトランタ地区連銀のボスティック総裁は6日、FRBが金利を従来予想以上に引き上げる必要があるかも知れないと述べた。

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