ＮＹ州規制当局、バイナンスのステーブルコインの発行停止を命令

［ロンドン　１３日　ロイター］ - 米ニューヨーク州金融サービス局（ＮＹＤＦＳ）は、暗号資産（仮想通貨）交換所大手バイナンスが取り扱うステーブルコイン「バイナンスＵＳＤ」（ＢＵＳＤ）を発行するパクソスに対してＢＵＳＤの発行停止を命じた。ＮＹＤＦＳとパクソスが１３日、それぞれの声明で明らかにした。

ＢＵＳＤはニューヨークに拠点を置くパクソス・トラスト・カンパニーが発行し、現金と交換されており、どちらもＮＹＤＦＳの規制対象となっている。

ＮＹＤＦＳは声明で、パクソスに対してＢＵＳＤの発行を停止するよう命じたと表明。ＮＹＤＦＳの広報担当者は１３日、ロイターに対し、パクソスが「安全かつ健全」な方法でＢＵＳＤを管理することができなかったと指摘。パクソスは「悪質業者によるプラットフォーム利用を防ぐため、バイナンスとパクソスが発行するＢＵＳＤの顧客に対する状況に応じた定期的なリスク評価とデューデリジェンスの更新を実施する義務に違反した」と述べた。

バイナンスのチャンポン・ジャオ最高経営責任者（ＣＥＯ）は１３日にツイッターで、規制当局の決定は「ＢＵＳＤの時価総額が時間とともに減るだけ」であることを意味すると投稿。パクソスがバイナンスに対し、資金はパクソスの銀行口座によって完全にカバーされていると保証したとも記した。

ジャオ氏は、ＢＵＳＤは「パクソスが完全所有し、管理している」と説明。バイナンスは「ＢＵＳＤのサポートを当面続ける」とも記した。

パクソスは声明で、２月２１日付で新たなＢＵＳＤの発行を停止し、既存のＢＵＳＤのサポートと換金を「少なくとも２０２４年２月」まで続けると述べた。