- 2023/02/14 掲載
英賃金、10─12月は01年以降で最大の増加 求人の減少続く
[ロンドン 14日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が14日発表した昨年10─12月の賃金(ボーナスを除く)は前年比6.7%増と、新型コロナウイルス流行に伴う一時帰休で統計にゆがみが生じた期間を除くと、2001年の統計開始以降で最大の伸びを記録した。
インフレに対する懸念が浮き彫りになったが、求人件数の減少など、労働市場の軟化を示すデータも発表された。
一方、10─12月の賃金(ボーナスを含む)は前年比5.9%増と、昨年5─7月以来の低い伸びだった。
ロイターがまとめた市場予想は、ボーナスを除くベースが6.5%増、ボーナスを含むベースが6.2%増だった。
統計発表直後、ポンドは対ドルと対ユーロで上昇。その後は伸び悩んだ。
10─12月の失業率は3.7%で横ばい。ロイターがまとめた市場予想と一致し、約50年ぶりの低水準付近にとどまった。
ただ、11─1月の求人件数は7万6000件減の113万4000件と、7回連続の減少となった。
無職で求職活動もしていない人の割合である不就労率は10─12月に21.4%と、前の3カ月から0.3%ポイント低下。不就労状態から労働市場に参入した人は差し引きで過去最高だった。
キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、アシュレー・ウェブ氏は、労働市場は冷え込む可能性が高いが、インフレ圧力は今後数カ月続くだろうと指摘。「年末の経済活動はイングランド銀行(英中央銀行)の予想をやや上回った。あと1─2回の利上げがあるかもしれない」と述べた。
10─12月の賃金(ボーナスを含む)は、物価調整後では前年比4.3%低下。09年初め以降で最大の減少となった。
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